タリーカ成立の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/23 23:40 UTC 版)
9世紀半ばから10世紀半ばにかけて、スーフィズムの思想体系が確立された。スーフィズムには「師を持たない者には悪魔が師となる」という言葉があり、単独での修行は非常に危険な行為と考えられた。スーフィズムはその成立当初から、既に神との合一を果たした導師と、少人数の弟子で構成される共同体を形成していた。修行の内容は導師の方針によってある程度異なったが、方法論自体は既に体系的に確立していた。この方法論が本来の「ターリカ」と呼ばれるものである。 12世紀ごろから、各種のスーフィズム教団(共同体)としてのタリーカがイスラム圏において出現し始めた。 タリーカの名称の多くは、精神的指導者(シャイフ)や創始者の名前がとられる事が多かった。タリーカのメンバーは道場に定期的に集まり、スーフィズム教義の学習や集団での修行を行った。 13世紀から17世紀にかけてタリーカは大型化し、ウマル・スフラワルディーの書いた『知恵の恩恵』と呼ばれる修行の手引書が広く採用された。初期スーフィズム以来の隠遁生活や独身主義の習慣を放棄した流派が増え、その組織も次第に官僚化していった。やがて指導者の世襲が一般化され、タリーカはゆっくりと衰退していったが、分岐・伝播を繰り返しながら現在まで存続している組織も数多くある。
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