タイトルとバトンタッチに至る経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 17:36 UTC 版)
「タッチ (漫画)」の記事における「タイトルとバトンタッチに至る経緯」の解説
タイトルの『タッチ』は、『ナイン』や『みゆき』を踏襲する3文字の単語かつ野球用語であることにより着想を得ている。ほとんどの作品でタイトルをひらめいた後に意味をこじつけて展開をつくるあだちは、連載のごく初期に、立ち上げ時からの担当編集者との打ち合わせで和也を死亡させる展開を決定。弟の夢を兄が受け継いでいく主題から『タッチ』にバトンタッチの意味を込めることが確定された。編集長をはじめとする当時の編集部は和也を死亡させることに強硬に反対し、配置替えでの後任担当編集者にも和也を殺すなと伝えるように命令する。だがはじめは板挟みになっていたその担当も、あだちの側に付くことを徐々に決意していく。展開を訝しがる編集長をやり過ごし、和也の死亡が確定する第67話の原稿を受け取った担当は、隠れて校了を終わらせ編集部から逃亡した。 当初に構想したバトンタッチ劇となる7巻以後、重くなるストーリー展開をなるべく軽妙にしようとあだちが参考にしたのは西田敏行主演のテレビドラマ『池中玄太80キロ』だった。このドラマは子持ちの女性と結婚した主人公が、妻と死に別れた後、男手一つで義理の娘を育てるといった内容だが、あだちは「テーマは重いが、軽い話で泣かせた。あの雰囲気がいいなと思っていた」と語っている。 本作での主人公の兄弟関係の設定は、あだち充と兄の漫画家・あだち勉の関係の反映という見方も存在する。序盤においては表面上は賢弟愚兄の物語だが、ストーリーの進行につれて弟への遠慮もあって隠していた才能を兄が開花させていく。終盤では、柏葉英二郎監督代行と兄・柏葉英一郎との確執がほのめかされ、上杉兄弟との対比を通じて、英二郎と達也の気持ちの交錯も描かれた。
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