ソフラーブとの戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 22:29 UTC 版)
あるきっかけから、ロスタムはトゥーラーンの属国に当たるサマンガーン(英語版)で美女タハミーネ(英語版)と出会い一子をもうける。こうして生まれたロスタムの子ソフラーブ(英語版)(ソホラーブ)は父が誰であるかも知らずに成長し、トゥーラーンのためにイランと戦い始める。やがて、タハミーネから父の素性を教えられたが、既にソフラーブはトゥーラーンの戦士としてイランと戦っており、引き返せない。そこで、ソフラーブはイランのカーウース王を玉座から引きずりおとし、父であるロスタムをイラン王にし、しかるのち自分はトゥーラーンの王座を簒奪する計画をたて、とりあえずはイランとの戦いを継続する。 次々とイランの勇者を打ち破るソフラーブに対し、ついにイランはロスタムを戦場に呼び出す。既に老英雄となっていたロスタムを見たソフラーブは、この老英雄をロスタムではないかと思い素性を尋ねるが、年老いたロスタムはこのような若者に敗れて名誉を失うことを恐れて正体を隠し、「自分はロスタムではない」と名乗ってしまったため、そうとは知らず、この親子は三日にわたって激闘を繰り広げることになる。 一日目、二日目はともに若いソフラーブが優勢であった。特に、二日目にはソフラーブはロスタムを組み伏せ、もう少しで殺せる寸前までいったのであったが、ロスタムは詭計を使い、なんとか逃れる。どうしてもソフラーブには叶わないことを悟ったロスタムは神に祈る。実は、以前のロスタムは自分でも制御できない力を持っており、神に力を一部だけ取り去ってもらっていたのである。その力を取り戻したロスタムは、三日目、ソフラーブに瀕死の重傷を負わせることに成功する。しかし、死にゆくソフラーブの口から、彼が自分の子であることを知り、知らぬこととはいえ子殺しをしてしまったと、絶望にふけるのであった。 その後、ロスタムは死に場所を求めて各地をさすらい、その一方で死者を蘇らせる霊薬を探した。だが、霊薬を手に入れることはできなかった。
※この「ソフラーブとの戦い」の解説は、「ロスタム」の解説の一部です。
「ソフラーブとの戦い」を含む「ロスタム」の記事については、「ロスタム」の概要を参照ください。
- ソフラーブとの戦いのページへのリンク