スラグの用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 01:34 UTC 版)
スラグ、特に生産量の多い製鉄スラグの発生量は膨大である。日本国内だけでも、高炉で3000万トン/年、転炉で1000万トン/年もの製鉄スラグが発生している。スラグは産業廃棄物として扱われており、処理費用が嵩む。このために古くからスラグの有効利用が模索されてきた。 例えば日本では、足尾銅山の防火壁の遺構に、スラグを使ったレンガ(カラミレンガ)が残されている。また、尾小屋鉱山があった石川県小松市尾小屋町ではスラグ煉瓦を使った擁壁や蔵などが残されている。 現在では、比重の高さから高炉セメントや、道路の路盤材、グラウンドの舗装材、建築用断熱材であるロックウールの原料などに用いられるほか、イネの育成などに用いるケイ酸肥料(ケイ酸カルシウム)としても利用されている。アブラナ科植物の根こぶ病を防ぐことにも有効といわれている。また、製鉄スラグは微量の鉄分を含むため、土壌への鉄分供給や、海水中の鉄分不足による沿岸の磯焼けへの対策としての利用が研究されている。
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