スピノルノルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 10:18 UTC 版)
詳細は「en:Spinor_norm#Galois_cohomology_and_orthogonal_groups」を参照 任意の標数において、スピノルノルム Q はクリフォード群上 Q ( x ) = t x x . {\displaystyle Q(x)={}^{t}\!xx.\,} によって定義される。それはクリフォード群から K の非零元の群 K* への準同型である。それは V をクリフォード代数の部分空間と同一視したときに V の二次形式 Q と一致する。著者によってはスピノルノルムの定義が僅かに異なり、ここでのものとは Γ1 上 −1, 2, あるいは −2 の因子によって異なる。違いは標数が 2 でなければそれほど重要ではない。 K の 0 でない元は体 K の非零元の平方の群 K*2 にスピノルノルムを持つ。なので V が有限次元で非特異なとき V の直交群から群 K*/K*2 への誘導写像を得、これもまたスピノルノルムと呼ばれる。ベクトル r の鏡映のスピノルノルムは K*/K*2 において像 Q(r) を持ち、この性質は直交群上それを一意的に定義する。これは次の完全列を与える: 1 → { ± 1 } → Pin V ( K ) → O V ( K ) → K ∗ / K ∗ 2 , {\displaystyle 1\to \{\pm 1\}\to \operatorname {Pin} _{V}(K)\to \operatorname {O} _{V}(K)\to K^{*}/K^{*2},} 1 → { ± 1 } → Spin V ( K ) → SO V ( K ) → K ∗ / K ∗ 2 . {\displaystyle 1\to \{\pm 1\}\to \operatorname {Spin} _{V}(K)\to \operatorname {SO} _{V}(K)\to K^{*}/K^{*2}.} 標数 2 においては群 {±1} はただ 1 つの元を持つことに注意せよ。 代数群のガロワコホモロジーの視点から、スピノルノルムはコホモロジーの連結準同型である。1 の平方根の代数群(標数が 2 でない体上それは大雑把には自明なガロワ作用を持った 2 元群と同じである)を μ2 と書くと、短完全列 1 → μ 2 → P i n V → O V → 1 {\displaystyle 1\to \mu _{2}\rightarrow \mathrm {Pin} _{V}\rightarrow \mathrm {O} _{V}\rightarrow 1\,} はコホモロジーの長完全列を生み出し、それは 1 → H 0 ( μ 2 ; K ) → H 0 ( P i n V ; K ) → H 0 ( O V ; K ) → H 1 ( μ 2 ; K ) {\displaystyle 1\to H^{0}(\mu _{2};K)\to H^{0}(\mathrm {Pin} _{V};K)\to H^{0}(\mathrm {O} _{V};K)\to H^{1}(\mu _{2};K)\,} で始まる。K に係数を持つ代数群の 0 次ガロワコホモロジー群は単に K-値点の群である: H0(G; K) = G(K)、および H1(μ2; K) ≅ K*/K*2, よって前の列を復元する: 1 → { ± 1 } → Pin V ( K ) → O V ( K ) → K ∗ / K ∗ 2 , {\displaystyle 1\to \{\pm 1\}\to \operatorname {Pin} _{V}(K)\to \operatorname {O} _{V}(K)\to K^{*}/K^{*2},\,} ただしスピノルノルムは連結準同型 H0(OV; K) → H1(μ2; K) である。
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