スイスの所得制限のあるベーシックインカム導入を問う国民投票
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「ベーシックインカム」の記事における「スイスの所得制限のあるベーシックインカム導入を問う国民投票」の解説
スイスにて、エノ・シュミット氏が成人国民に月額2,500スイスフラン(約28万円)、未成年者には月額625スイスフラン(約7万円)のベーシックインカムを給付するかどうかを決める国民投票が2016年6月5日に行われる予定。制度に必要な費用の大半が税金によってまかなわれる。制度導入に伴って年金や失業手当などの社会保障制度の一部を打ち切りベーシックインカムに一本化する。国民投票が可決されると、収入が月額2,500スイスフラン未満の人にベーシックインカムが支給されることになるが、政府や経済界は猛反対している。支給額は国民投票が可決された後に法律で決めるため、実際に成人28万円、未成年7万円となるかは不透明。 スイスで提案されているベーシックインカムは本項で解説するベーシックインカムとは異なり所得制限が存在する。具体的には就労による収入が月額2,500スイスフランに満たない国民に月額2,500スイスフランまで給付する制度である。そのため収入が月額2,500スイスフラン以上ある人はベーシックインカムがもらえず、また収入が月額2,500スイスフラン未満でも就労収入がある人はベーシックインカムが減額されるため、高所得者や中間層の支持を得にくい制度であり、事前の世論調査では反対派が賛成派を上回っている。 2016年6月5日、ベーシックインカム導入の是非を問う国民投票がスイスで行われ、投票率46.3%、賛成23.1%、反対76.9%で否決となった。連邦政府は、制度導入に係る巨額税源不足と経済競争力低下の懸念を表明しており、国民の支持も広がらなかった。 スイス型の所得制限のあるベーシックインカム(単位はスイスフラン)就労による収入ベーシックインカム給付額最終的な収入備考0 2,500 2,500 就労せずに収入が2,500スイスフランとなるためメリットが大きい 500 2,000 2,500 就労してもベーシックインカムが減額されるため、最終的な収入が2500スイスフランとなり変わらないため就労意欲が減る 1,000 1,500 2,500 1,500 1,000 2,500 2,000 500 2,500 2,500 0 2,500 就労収入が2,500スイスフラン以上の人はベーシックインカムがもらえない 3,000 0 3,000 3,500 0 3,500 4,000 0 4,000 4,500 0 4,500 5,000 0 5,000 所得制限のないベーシックインカム就労による収入ベーシックインカム給付額最終的な収入備考0 2,500 2,500 所得にかかわらずベーシックインカムがもらえる。就労している人にも2,500スイスフラン給付されるため、働いたら働いただけ所得が増えるため、労働意欲が減らない 500 2,500 3,000 1,000 2,500 3,500 1,500 2,500 4,000 2,000 2,500 4,500 2,500 2,500 5,000 3,000 2,500 5,500 3,500 2,500 6,000 4,000 2,500 6,500 4,500 2,500 7,000 5,000 2,500 7,500
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