ジャグ配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 01:36 UTC 版)
「配列の配列」の場合、内側の配列について、要素数が揃っていることを要求しないデータ構造であることもある。ジャグ配列 (jagged array)、不規則配列などと言う。これに対し、内側の配列の要素数が揃った配列を矩形配列 (rectangular array) などと言う。Javaにおける配列の配列はジャグ配列である。C#には前述の通り、「真の多次元配列」もあるが、それとは別に配列の配列もあり、そちらはJavaと同様のジャグ配列である。 Javaによるジャグ配列の例を示す。 int[][] numArr = new int[3][];numArr[0] = new int[]{1, 2, 3};numArr[1] = new int[]{4, 5, 6, 7};numArr[2] = new int[]{8, 9};System.out.println(numArr[1][1]); C#によるジャグ配列の例を示す。 int[][] numArr = new int[3][];numArr[0] = new int[]{1, 2, 3};numArr[1] = new int[]{4, 5, 6, 7};numArr[2] = new int[]{8, 9};System.Console.WriteLine(numArr[1][1]); 要素のアドレスを指定するための参照の展開は、ジャグ配列では次元の数だけ必要なのに対し、矩形配列では1回で済む。また配列の領域を確保する際、ジャグ配列では次元ごとに領域確保を繰り返す必要があるのに対し、矩形配列では1回のnew演算子の使用で領域が確保できる。ただし矩形配列は全要素が収まる連続領域を確保しなければならず、疎行列などのまばらな配列には空間的オーバーヘッドが大きくなってしまうことから向いていない。また、.NET Frameworkの中間言語には1次元配列の要素アクセスに関する専用命令が存在するため、矩形配列よりもジャグ配列のほうが速度性能面で有利になるケースも存在する。 C言語では、配列を指すポインタは、その配列のサイズを固定しなければならない。配列を指すポインタではなく、「『配列の先頭要素を指すポインタ』の配列」によって、次のようにしてジャグ配列のようなデータ構造を作ることができる。 int *numArr[3];int tmp0[] = {1, 2, 3};int tmp1[] = {4, 5, 6, 7};int tmp2[] = {8, 9};numArr[0] = tmp0;numArr[1] = tmp1;numArr[2] = tmp2;printf("%d\n", numArr[1][1]); // print "5" 例示したように、「配列の配列」と同様の構文でアクセスできるが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}データ構造としては異なっている[要追加記述]。当然、(生成されるコード[要追加記述]を読めばわかるが)意味的に違うものであって、混同してはならない。ましてや「多次元配列がサポートされていると考えるべき」などと考えるのは、混乱の元でしかない。
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