ジャイナ教石窟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 08:54 UTC 版)
ジャイナ教の石窟は他と比較してそれほど大きくはないが、繊細で複雑な構造を持ち、一種の芸術的作品となっている。 第32窟はジャイナ教の石窟でチョーター・カイラーサナータ(小カイラーサナータの意)と言われ、石窟の正面の中庭に第16窟と同様に外部に出現した神殿がある。第16窟と大きく違うのは、石窟のほうも充実していることである。第32窟の石窟の中はジャイナ教の神殿となっており、天井には蓮の彫刻が見られる。 また第34窟(第32窟、第33窟と繋がっている)には美しい女神が、豊かに実ったマンゴーの木の下で、ライオンの上に座り壮麗な姿態を見せている。もちろん神像はこれだけではなく数多くの神像が壁を埋めている。ジャイナ教石窟には豊富な天井画が見られ、今でも多くの天井画が残っている。ほかのジャイナ教の石窟も繊細な彫刻と、複雑な内部構造を持っており、互いに内部で繋がっている。そのため、訪れた人には境界がはっきり判らなくなっている。 ジャイナ教の石窟寺院は、中庭の神殿とそれを囲む充実した石窟寺院群から構成されるが、この構成は現代のジャイナ教の寺院の特徴となっている。現代のジャイナ教寺院は中央部に神殿があり、それを中庭をはさんで外郭がぐるりと囲っている。この外郭は仏教寺院の簡素な回廊と違って充実したもので、立派な塔や小神殿が付随した立派なものである。エローラのジャイナ教の石窟寺院は、まさにジャイナ教寺院の原形とも言えるものである。 第32窟 ジャイナ教石窟 天井には大きな蓮が彫られている 第32窟 色鮮やかに残る天井画 第34窟 ライオンに座る女神像 現代のジャイナ教寺院外郭の外側から撮影。中は聖域で撮影禁止。微細な構造がすばらしい。
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