ジェームス・ラストとは? わかりやすく解説

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ジェームス・ラスト

(ジェイムズ・ラスト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/16 14:30 UTC 版)

ジェームス・ラスト
James Last
基本情報
出生名 Hans Last
生誕 (1929-04-17) 1929年4月17日
ドイツ ブレーメン
死没 (2015-06-09) 2015年6月9日(86歳没)
アメリカ合衆国 フロリダ州パームビーチ
ジャンル ビッグバンドイージーリスニング
職業 作曲家
担当楽器 ダブルベース
活動期間 1946年 - 2015年
公式サイト www.jameslast.com
音楽・音声外部リンク
試聴
Vibrations - Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック

ジェームス・ラスト(James Last、1929年4月17日 - 2015年6月9日[1])は、ドイツ出身の作曲家、ベーシスト、バンドリーダーである。

経歴

1929年、本名ハンス・ラースト(Hans Last)としてドイツブレーメンにて生まれる。第二次世界大戦中にドイツ国防軍の軍楽学校で音楽を学んだ。

1948年にラスト=ベッカー・アンサンブルのリーダーとなり、作曲家としても活動し始める。また北西ドイツ放送NWDRに所属しベーシストとしても活躍、ドイツで最も早くエレクトリック・ベースを採用した1人でもある。

1960年代には自身の名を冠した楽団を結成、その明るく軽快なサウンドから「ハッピー・サウンド」と呼ばれ大成功を博し、その後のドイツ語圏のインストゥルメンタル・ポップ音楽にも多大な影響を及ぼした。

1965年、アルバム「ノン・ストップ・ダンシング '65」を国際市場に出す際に芸名としてジェームス・ラストを採用、この名はすぐに定着することとなり、一方本名のハンスは彼の愛称「ハンジ」として残ることとなる。

生涯のキャリアにおいて200枚以上ものアルバムを発表し、ベルト・ケンプフェルトと並ぶドイツを代表するポップス・ビッグバンドとして人気を博し、ケンプフェルト没後はジャーマン・ポップス・ビッグバンドの頂点に立った。ドイツ国内外において合計17枚のプラチナレコード、さらに208枚ものゴールドレコードを記録している。

1968年には契約していたポリドール・レコードの提案で日本向けに「世界は二人のために」をタイトル曲に、日本のポップス・歌謡曲のカバーアルバムを発売している。

1977年にはルーマニアのパンフルート奏者、ゲオルゲ・ザンフィルのために『ロマーナの祈り英語版(Einsamer Hirte / The Lonely Shepherd:和訳:孤独な羊飼い)』を作曲してヒットに導いた。

アルバム『セダクション(The Seduction)』収録の『バイブレーションズ(Vibrations)』は、日本のテレビ番組『プロ野球ニュース』のコーナー「今日のホームラン」のBGMに使用されている。

2012年ドイツ音楽作家賞生涯功労賞を受賞した[2]

死の2か月前、最後の舞台上にて(2015年4月)

「命に関わる病気」が悪化したことを2014年9月に公表し、翌2015年3月22日から4月26日までドイツ国内におけるファイナルツアーを敢行、その後イギリスで行う予定だった引退ツアーの開始を待たず、6月9日、86歳で死去した[3][4]

作品

バンドリーダーを務めると同時にソングライターとしての側面もあり、欧米でも数多くのヒット作を放った[5]

  • ウエイン・ニュートン「Games That Lovers Play」[6] - 全米86位(1966年)
  • ジャック・ジョーンズ「Now I Know」[7] - 全米73位(1967年)
  • エド・エームス「When the Snow Is on the Roses」[8] - 全米98位(1967年)
  • アンディ・ウィリアムス
    • 「Happy Heart」[9] - 全米22位(1969年)
    • 「Music From Across The Way(悲しみは空の彼方に)」[10] - イージー・リスニング・チャート30位(1972年)
  • エルヴィス・プレスリー
    • 「Fool」[11] - イージー・リスニング・チャート12位(1973年)

脚注

  1. ^ ジェームス・ラスト氏死去 「今日のホームラン」のBGM作曲(2015年6月12日、スポーツニッポン
  2. ^ Deutscher Musikautorenpreis 2022年8月18日閲覧。
  3. ^ “Big band leader James Last dies at 86”. BBC News. (2015年6月10日). http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-33075466 2015年6月10日閲覧。 
  4. ^ “Bandleader James Last gestorben”. Rhein-Neckar-Zeitung. (2015年6月10日). http://www.rnz.de/nachrichten_artikel,-Bandleader-James-Last-gestorben-_arid,104171.html 2015年6月10日閲覧。 
  5. ^ Who wrote that song?, by Dick & Harriet Jaclbs, Writer's Digest Books, c1994, p.343,ISBNː 0-89879-639-3
  6. ^ Top pop singles, 1955-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.975,ISBNː 978-0-8982020-5-2
  7. ^ Top pop singles, 1955-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.1023,ISBNː 978-0-8982020-5-2
  8. ^ Top pop singles, 1955-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.1065,ISBNː 978-0-8982020-5-2
  9. ^ Top pop singles, 1955-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.980,ISBNː 978-0-8982020-5-2
  10. ^ Top adult songs 1961-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.295,ISBNː 0-89820-169-1
  11. ^ Top adult songs 1961-2012, by Joel Whitburn, Record research, c2013, p.221,ISBNː 0-89820-169-1

参考文献

  • Dick Jacobs & Harriet Facobs『Who wrote that song』(Writer's Digest Books, c1994)

関連項目

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