シーケンシャルターボの動作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/20 08:37 UTC 版)
「ツインターボ」の記事における「シーケンシャルターボの動作」の解説
シーケンシャルターボシステムの理解を深めるため、1990年に発売されたユーノスコスモの20B-REW、13B-REWに搭載された並列タイプのシーケンシャルターボの動作を例として挙げる。このシステムの特徴は、セカンダリーターボの過給圧立ち上がりをスムーズにする「予回転方式」が採用されたことにある。また、プライマリーターボには低速レスポンス重視のインパクトタービンブレードを、セカンダリーターボには高流量時に通気抵抗の小さいハイフロー型を、それぞれ採用している。 レイアウトはほぼ前述の並列タイプの通りで、セカンダリーターボへの排気導入部に設置される切換えバルブが大小二つになっており、それぞれマツダは「ターボメインコントロールバルブ」、「ターボプリコントロールバルブ」と名付けている。また同様に、セカンダリーターボ吸気側のリリーフバルブは「過給リリーフバルブ」、プライマリー、セカンダリーの吸気合流部の切換えバルブは「過給コントロールバルブ」と呼んでいる。 まず、エンジン回転数が低い領域では全てのバルブが閉じられており、排気ガスはプライマリーターボに集中して流れ、エンジンの低速トルクを増強する。プライマリーターボが設定過給圧に到達した後、ターボプリコントロールバルブを開き、セカンダリーターボを約8万rpmに保つ。このとき、過給コントロールバルブは閉じているためセカンダリーターボの過給圧はエンジンには加わらない。このままだとサージングによりコンプレッサーが破損してしまうため、過給リリーフバルブを開くことでコンプレッサ内を一定の圧力に保ちサージングが起きないようにしている。この状態ではプライマリーターボのみの作動から二つのターボでの並列過給に切換えるにはセカンダリーターボの回転数が足りないため、並列過給への移行直前に過給リリーフバルブを閉じて(短時間のあいだサージング状態に陥ること許容した上で)セカンダリーターボの回転を12万rpm程度まで加速させる。その後、ターボメインコントロールバルブと過給コントロールバルブを開き、プライマリーターボにセカンダリーターボの過給を加えた中高速域の過給モードへスムーズに移行する。 なお直列タイプの場合、制御バルブは小型ターボの吸排気バイパスバルブの二つだけなので、制御は並列タイプよりも単純になる。
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