システムの複雑化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:44 UTC 版)
「マイレージサービス」の記事における「システムの複雑化」の解説
マイルの加算や利用における多数の各種サービスの提携化・マイル交換により、システムが複雑化してしまい、ルールの抜け道や盲点をついたマイル獲得方法や航空関連会社が想定していないマイル獲得方法などが存在してしまうことがある。航空機利用においてのマイル獲得のため、少ない費用で多くのマイルが獲得できる路線を乗り継ぐ航空券を利用する利用者がいる。 ポイント交換の例において、A社のポイントは航空会社C社のマイルに直接交換することは提携していないため不可であるが、B社はA社とC社とポイント・マイル交換で提携しており、A社のポイントをB社のポイントへ交換し、更にB社のポイントをC社のマイルに交換できるような事例もある。同様に、航空会社D社と競合する航空会社E社のマイルは交換することはできないが、D社とポイント交換で提携しているF社およびE社とポイント交換で提携しているG社が相互にポイント交換で提携しており、D社→F社→G社→E社の順にポイント交換をすることで異なる航空会社のマイレージへ最終的に移行できるようなケースも存在する。 このようなポイント加算は様々知られており、約款で禁じられていない限り不正ではない。航空関連会社やポイントサービスを運営している事業者がこのような行為を問題と判断した場合、その都度システムの改修やルールの変更がなされるが、改修やルールの変更されるまではしばらく期間がかかるため、抜け穴をついて利用されてしまうこともある。 三越伊勢丹グループのカードである「エムアイカード」や東急グループのカードであるTOKYU CARD、JR九州のJQ CARDように、JAL・ANAの航空会社両社共にポイント交換で提携している場合は、ポイント交換を繰り返すことや同一名義で複数枚のカードを保有することにより、間接的にJALからANA(逆も含む)へのマイル交換するのを防止するため、ポイントおよびマイルの交換に制限を設けている事例も存在する。エムアイカードの場合は一度マイルからポイントへ交換した時点、TOKYU CARDとJQ CARD場合はJAL・ANA提携のカードを保有した場合にポイントからのマイルへの交換に制限が付く。エムアイカードの場合はJAL・ANA両社のマイルをポイントへ交換した場合、TOKYU CARDの場合はJAL・ANA提携のカードを同一名義で両方保有するとマイルへの交換が今後一切できなくなる。JQ CARDの場合はJAL提携(イオンクレジットサービス発行)・ANA提携(JCB発行)のカードを同一名義で両方保有した場合、JQ CARDのポイントをまとめることは可能であるが、他方のカードで取得したポイントからのマイルへの交換に制限が付く(例…JAL提携のカードで取得したポイントの分は、JALへは移行できるがANAへは移行できない)。 また、システム改修やルールの変更にかかる費用が高額となり、放置したままの方が結果的に低コストの場合は改修せず放置と割り切ることもある。その場合、次回の運賃改定などのシステム改修のついでに改修することが多い。また、チケット利用においてこのような行為が発覚した時、航空会社から搭乗やマイル加算を拒否される場合がある。
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