ザンクト・ガレン修道院図書館
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「ザンクト・ガレン修道院」の記事における「ザンクト・ガレン修道院図書館」の解説
修道院に併設された現在の図書館は1767年に建造されたものである。ここは世界最大級の中世期文献の蔵書数を誇り、欧州ドイツ語圏内では、中世初期の文献に関する包括的なコレクションを抱えている図書館のひとつとなっている。その蔵書数は2005年段階で16万冊を超え、そのうち2200冊が写本であり、500冊は1000年以上前のものである。現在では、こうした値段のつけようがない写本の数々をデジタル化する計画も始まっている。このほかに、インキュナブラも1600冊以上保有している。一例を挙げれば、ドイツ中世文学の双璧『ニーベルンゲンの歌』(B写本)とヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『パルチヴァール』(D写本)はCod.857として収蔵されている。 この図書館はまた、「ザンクト・ガレンの修道院平面図(英語版)」として知られる9世紀のユニークな史料も保有している。これは西ローマ帝国滅亡から13世紀までのおよそ700年間に書かれたものとしては、現存する唯一の巨大建築物の設計図である。この図面に描かれたものは当時建造されることがなく、むしろ修道院の理想形が描かれたものと言えるが、この設計図の作成をライヒェナウ修道院長に依頼し、今日まで伝存してきた修道院の名にちなんでそう呼ばれている。
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