サム・ホーソーン医師
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「エドワード・D・ホック」の記事における「サム・ホーソーン医師」の解説
サム・ホーソーン医師 (Dr. Sam Hawthorne) は引退した一般開業医で、不可能犯罪のスペシャリストである。このシリーズは、若き日のサムが小さな町で開業医をしていた1920年代から1940年代の頃の回想として語られる。医学校を出たばかりのサム・ホーソーンはニューイングランドの架空の田舎町ノースモントに、静かに暮らそうと思って引っ越してきたが、彼の行くところ必ず誰かが不可解な死に方をする。 初登場したのは1974年。このシリーズは歴史的な事柄を丁寧に調査して書かれており、サムの自動車や、当時の医療、政治、服装などに活かされている。サムは陽気な人間で、ユーモアを交えて話をする。しかし、彼の一人称で語られることで、調査中の殺人事件へのサムの悲嘆と遺族への同情を、読者は間近で見ることになる。ほとんどの話が一つの田舎町を舞台にしているので、端役の人物が再登場することが普通よりも多い。 シリーズ初期には、変わった趣向があった。各話の終わりに次の話の中心となるパズルのヒントが語られ、そして、次の話は前回のヒントを受けて始められるのだ。このような趣向は、アンソロジーなら各話のつながりを良くするために使われることがあるが、一話完結のシリーズ物で雑誌掲載時に初めからこのような趣向がこらされるのは珍しい。シリーズが中盤を経ると作者の執筆ペースが年3作から2作になり、半年毎に書く事件のトリックをその前作の執筆中から考えておかなければならなくなるため、この趣向は消えている。
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