コスミレとは? わかりやすく解説

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小すみれ

読み方:コスミレ(kosumire)

一種

季節

分類 植物


コスミレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 09:56 UTC 版)

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コスミレ
京都府亀岡市 2021年3月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : マメ類 Fabids
: キントラノオ目 Malpighiales
: スミレ科 Violaceae
: スミレ属 Viola
: コスミレ V. japonica
学名
Viola japonica Langsd. ex DC.[1]
シノニム
  • Viola crassicalcarata Ching J.Wang.
  • Viola metajaponica Nakai[2]
和名
コスミレ(小菫)[3]

コスミレ(小菫、学名:Viola japonica)はスミレ科スミレ属多年草[2][3][4][5]

和名は「小スミレ」の意味であるが、スミレ Viola mandshurica と比べて、植物体や花、葉が小型というわけではない[2][3][5]。他のスミレに先がけて咲く、早咲きのスミレのひとつである[4]

特徴

無茎の種。短い地下茎がある。高さは5-12cmになる。は根生し、葉柄は長さ2-10cmになり、数個束生し、斜上する。葉身は長さ2-5cm、長三角形から長卵形で、先端は鋭頭、基部は心形、縁には低平な鋸歯がある。葉質はやや柔らかで、表面は白粉をふいたような緑色、裏面は紫色をおびるか淡緑色、両面に短毛がまばらに生えるかまたは無毛。花後、夏期の葉ははるかに大型になり、長三角形になる[2][3][4][5]

花期は3-5月。葉の間から長さ6-12cmの花柄を伸ばし、横向きにをつける。花柄の途中には狭小な2個の小苞葉がある。花は径1.5-2cm、ふつう淡紫色であるが、白っぽいものから紅紫色まで変異がある。花弁はふつう幅が狭く、長さ10-15mm、側弁の基部はふつう無毛で、まれに毛が生え、唇弁には紫色のすじが入る。唇弁の距はふつう細く、長さは6-8mmになり、紫色の細点があり、まれに毛が散生することがある。片は広披針形で、毛が生え、付属体は三角形。雄蕊は5個あり、花柱は太いカマキリの頭形になり、上部が左右に明瞭に張り出し、柱頭は下向きに突き出る。果実は楕円状の蒴果で、長さ約1cmになり、紫色の斑点がある。染色体数は2n=48[2][3][4][5]

分布と生育環境

日本では、北海道(道南地方)、本州、四国、九州、屋久島に分布し、道ばた、耕作地、石垣など人里に近い場所や里に近い丘陵地や山地に生育する[2][3][5]。西日本に多く、西日本では、葉の形態や花の色の変異も多い[5]。世界では、朝鮮半島南部、台湾中国大陸(東部~西南部)に分布する[2]

名前の由来

和名のコスミレは「小菫」の意で、人里の周辺で見かけることが多く、スミレに似て小型の印象があるため、この名があるという[2]

種小名(種形容語)japonica は、「日本の」の意味[6]

ギャラリー

下位分類

  • シロバナツクシコスミレ Viola japonica Langsd. ex DC. f. albida F.Maek.[7] - 白花品種[2]
  • ヒゲコスミレ Viola japonica Langsd. ex DC. f. barbata (Hiyama) Hiyama ex F.Maek.[8] - 側弁の基部に毛が生えるもの[2]
  • フイリコスミレViola japonica Langsd. ex DC. f. variegate (Hatus.) F.Maek. [9] - 葉の表面に白斑があるもの[2]

交雑種

  • キタザワスミレViola japonica Langsd. ex DC. × V. variegate Fisch. ex DC. var. nipponica Makino[10] - コスミレ×ゲンジスミレ[10]

関連項目

脚注

  1. ^ コスミレ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f g h i j k 門田裕一 (2016)「スミレ科」『改訂新版 日本の野生植物 3』p.219
  3. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』pp.330-331
  4. ^ a b c d 『スミレハンドブック』p.63
  5. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.724
  6. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1498
  7. ^ シロバナツクシコスミレ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  8. ^ ヒゲコスミレ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  9. ^ [1]「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  10. ^ a b キタザワスミレ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

  • 山田隆彦著『スミレハンドブック』、2010年、文一総合出版
  • 林弥栄初版監修、門田裕一改訂版監修、平野隆久写真、畔上能力他解説『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 3』、2016年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)

「コスミレ」の例文・使い方・用例・文例

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