グリーンベレーの由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 04:26 UTC 版)
「アメリカ陸軍特殊部隊群」の記事における「グリーンベレーの由来」の解説
陸軍特殊部隊の通称として、緑色のベレー帽(グリンベレー)が存在するが、この通称は特殊部隊創設当初から存在していたものではない。元々、緑色のベレー帽は精強といわれる英国王立海兵隊(ロイヤルマリーン)が着用していたもので、それを気に入った第10特殊部隊グループのHerbert R. Brucker少佐が1953年に初めて持ち込んだ。それが翌年には第77特殊部隊グループにも広がり、ODFA-32隊長だったRoger Pezzelle中尉が自らのチームの非公式ヘッドギアとして採用した。そして、1955年には両グループ共に自分達の精強さと独自性を表すシンボルとしてグリンベレーを制帽に指定したのである。しかし、陸軍上層部はベレー帽を快く思っておらず、高級将校達の中では議論が沸き起こった。当時、ヨーロッパ諸国の軍隊の特徴ともいえたベレー帽を伝統ある米陸軍に持ち込むことに対する強い反発や、新興であった特殊部隊の主張が特殊作戦に無理解な軍部保守派の逆鱗に触れたことがその理由である。 だが、1961年、当時の特殊部隊総司令官だったウイリアム・P・ヤーボロー准将は、非在来戦に強い興味を抱いているジョン・F・ケネディ大統領がフォートブラッグを訪問することを知ると、すぐさま大統領の側近に連絡を取り、ベレー帽着用を公認するように打診した。そして、訪問日に特殊部隊を閲兵して満足した大統領は同年9月25日に全ての特殊部隊員に対してグリンベレーの正式着用許可を与え、これによって特殊部隊のシンボルおよび通称として「グリーンベレー」が使われるようになった。
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