グラフィックコンテキストとフォント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 17:13 UTC 版)
「X Window System コアプロトコル」の記事における「グラフィックコンテキストとフォント」の解説
クライアントはいくつかのグラフィック操作を要求できる。例えば、領域の生成、領域のコピー、点/直線/多角形/テキストの描画などである。これらの操作は全て、任意の描画領域(ウィンドウもピクスマップも)に対して実施可能である。 グラフィック操作要求の多くは、「グラフィックコンテキスト」を含む。これは、グラフィック操作のパラメータを格納した構造体である。グラフィックコンテキストには、前景色、背景色、テキストのフォント、その他のグラフィックパラメータが含まれる。グラフィック操作を要求する場合、クライアントはグラフィックコンテキストを作成しなければならない。グラフィックコンテキストの全パラメータがグラフィック操作に影響するわけではない。例えば、直線描画要求では、フォント指定は影響しない。 Xコアプロトコルでは、サーバ側のフォントの使用を扱う。その場合のフォントはファイルとして格納されており、サーバはローカルなファイルシステムに直接アクセスする場合もあるし、「フォントサーバ」と呼ばれるプログラムにネットワーク経由でアクセスする場合もある。クライアントは、そのサーバで利用可能なフォント一覧を要求でき、フォントのロード(まだロードされていない場合)やアンロード(他のクライアントが使っていない場合)を要求できる。クライアントはフォントについての汎用情報を要求でき、特定のテキストを特定のフォントで描画するときに必要なスペースを問い合わせることもできる。 フォント名はXコアプロトコルのレベルでは任意の文字列に過ぎない。X Logical Font Description Conventions により、フォントの属性に対応した命名規則が規定されている。この命名規則では、オプション的な属性も考慮するようになっている。 xlsfonts プログラムは、サーバが格納しているフォントの一覧を表示する。xfontsel プログラムは、フォントの字体を表示し、フォント名をコピー・アンド・ペーストで別のウィンドウに入力できる。 近年では、クライアント側でフォントを用意することが多くなり、サーバ側フォントの使用が廃れつつある。クライアント側フォントは、クライアント側でレンダリングするもので、XftやCairoライブラリを使ったり、XRender拡張を使ったりする。Xコアプロトコルにはクライアント側フォントに関する規定は存在しない。
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