クマガイソウとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 植物 > > クマガイソウの意味・解説 

クマガイソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/03 00:13 UTC 版)

クマガイソウ
クマガイソウ
保全状況評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: アツモリソウ属 Cypripedium
: クマガイソウ C. japonicum
学名
Cypripedium japonicum Thunb.[1]
和名
クマガイソウ(熊谷草)

クマガイソウ(熊谷草、学名Cypripedium japonicum Thunb.[1])は、ラン科アツモリソウ属分類される多年草の1。大きなをつけ、扇型の特徴的なをつける。

和名の由来は、アツモリソウともに、膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣に見立て、源平合戦熊谷直実(くまがい なおざね)と、一ノ谷の戦いで彼に討たれた平敦盛(たいら の あつもり)にあてたものである[2]

特徴

クマガイソウは、北海道南部から九州にかけて分布する。低山の森林内、特に林、林などに生育し、大きな集団を作る。草丈は40cmくらいまで、葉は対生するように二枚つき、それぞれ扇型の特徴的な形をしている。
花はその間から伸びたの先につき、横を向く。花弁は5枚の細い楕円形で緑色を帯び、唇弁は10cmに大きく膨らんだ袋状で、白く、紫褐色の模様がある。唇弁の口は左右から膨らんで狭まっている。

栽培

クマガイソウの地下茎は節間が長く、全長はしばしば1m以上になる。 適地であれば地植え栽培が可能ではある。

種の保全状況評価と保護活動

日本では環境省により、レッドリストの絶滅危惧II類(VU)の指定を受けていて[3][4]、多くの都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

[3]

樹林下に自生するクマガイソウの群落

群落がある地域では、住民による保護団体が、開花する5月に観光地として開放しつつ、盗掘を防ぐ活動をしている例がある[6]

熊谷直実の故地である埼玉県熊谷市では、有志が1979年に「くまがい草保存会」を結成。庭園の星溪園などに植栽したが根付かず、鉢植えなどを除いて絶え、保存会は2014年に解散した[7]

近縁種

台湾産のタイワンクマガイソウ Cypripedium formosanum は地下茎が短く、鉢植えが可能である。

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “クマガイソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年9月5日閲覧。
  2. ^ 「クマガイソウ」『日本大百科全書(ニッポニカ)小学館
  3. ^ a b 第4次レッドリスト「植物I(維管束植物)」”. 環境省. 2014年11月5日閲覧。
  4. ^ 絶滅危惧情報検索「クマガイソウ」”. 環境省. 2014年11月5日閲覧。
  5. ^ 日本のレッドデータ検索システム「クマガイソウ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2014年11月5日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  6. ^ 絶滅危惧種のクマガイソウ 福島の山中で5万株満開 限界集落の住民らが保護」『日本経済新聞』夕刊2024年5月10日(社会面)2024年6月3日閲覧
  7. ^ 「熊谷草」の歌碑建立へ寄付募る 有志「保存活動後世に」『朝日新聞』朝刊2018年12月2日(埼玉面)

参考文献

  • 『自然と野生ラン』343号(2007年7月号)pp.64-69

外部リンク





固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」からクマガイソウを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からクマガイソウを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からクマガイソウ を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「クマガイソウ」の関連用語

クマガイソウのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



クマガイソウのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのクマガイソウ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS