クシエルの矢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 07:39 UTC 版)
テールダンジュの王都エルーアの神娼の子として生まれたフェードルは花館で育つが、瞳にクシエルの矢と呼ばれる赤い染みがある。フェードルは痛みを快楽と感じ、すみやかに跡形もなく傷が癒えるアングィセット体質であることが分かり、貴族アナフィール・デローネイに引き取られ、アルクィンとともにスパイとしての教育を受ける。だがメリザンドの立てた宮廷陰謀に巻き込まれ、師のアナフィールと友のアルクィンは殺され、フェードルは護衛の騎士ジョスリンとともに隣国スカルディアに奴隷として売られる。 フェードルはスカルディアの指導者ヴァルデマール・セリグの臥所の奴隷となり、貴族と内通してテールダンジュを侵略する陰謀を知る。フェードルとジョスリンは逃げ出し、王都に戻る。二人はアナフィール殺人の罪で告発されていることを知り、ツィンガン人(ジプシー、あるいはロマ民族にあたる)でフェードルの親友ヒアシンスを頼って、イサンドル女王に陰謀を知らせる。 女王は、密かにフェードルを海を隔てた隣国アルバに送って婚約者ドラスタンの援軍を求める。フェードルはヒアシンスを伴ってアルバにわたり、内乱を勝ち抜き大クルアハとなったドラスタンは援軍を率いてテールダンジュに向かう。海峡を支配する超自然的な存在の早瀬の主は、ヒアシンスを自分の後継ぎとして留める条件でアルバ軍を通す。 フェードルは、スカルディアに内通していたイシドール公爵に、メリザンドとセリグが裏切るつもりでいることを話して、テールダンジュ防衛に立たせ、スカルディア軍は敗れセリグは戦死する。メリザンドは捕えられ大逆罪で死刑を宣告されるが脱走する。女王はドラスタンと婚儀を挙げ、フェードルの汚名をそそぎ、アナフィールの領地を与えて貴族とする。フェードルのもとに、メリザンドから挑戦の徴が届く。
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