ギルダスの記述を巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/11 22:29 UTC 版)
「アンブロシウス・アウレリアヌス」の記事における「ギルダスの記述を巡る議論」の解説
上記の記述は、多くの学者にとって議論の対象になった。第1に、ギルダスがアンブロシウスの家族について、「紫色の衣服を着用していた」と記述した点である。可能性は低いが、テオドシウス家(テオドシウス1世などが所属)、あるいはコンスタンティヌス3世 (en:Constantine III (western emperor)) の親戚だったと考えられなくもない。古代ローマ貴族は身分を証明するため、紫の帯とともに服を着ていたからである。そのため紫への言及が、貴族階級出身の根拠となるのかもしれないのである。また、ローマ軍団の上官である司令官(トリブヌス・ミリトゥム)も紫色の帯を着用していた。そのため、アンブロシウスの家族について紫が記述されているのは、軍についてを表している可能性もある。さらに、「紫」は「血」を表す婉曲表現であることが示唆されており、「紫色を着用していた」は苦難にあったことを表現していると解することも可能である。 第2の論点は、「祖先」 (avita) という語の意味である。「avita」は通常の場合は「祖先」を意味するが、ギルダスは特に「祖父」を意味する言葉として使う傾向がある。そうだとすれば、アンブロシウスは世代的にベイドン山の戦い以前の人間と言うことになってしまう。この期間の情報が不足している事から、正確な解答は得られていない。
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