ガスナーと催眠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 05:41 UTC 版)
「ヨハン・ヨーゼフ・ガスナー」の記事における「ガスナーと催眠」の解説
ガスナーはメスメルに敗れたものの、その後敗れたことで後世に名を残すことになった。ガスナーの治療手法は詳細に記録されており、それは現在の催眠に通じるところが多い。そのため、彼は近代催眠の先駆者と言われている。 心理学の歴史家、アンリ・エレンベルガーは、祓魔術から動物磁気、催眠術と、主な現代力動精神医学体系との間に中断ない連鎖があると言っている。そして、ガスナーとメスメルが衝突した1775年こそが、力動精神医学が成立した年だと断言する。またさらに、「彼をめぐって荒れ狂った論戦の対象は…それは新しい啓蒙主義と古い伝統勢力との闘争だった。ガスナーの敗北は”啓蒙された”時代の要求を満足させる宗教と全然結びつかない治療法への道をなだらかにするものであった」と言う。 ガスナーを破ったメスメルの動物磁気説も、そのわずか10年後、1785年にはパリでその存在を否定する判断がなされる。これらの現象が、現在催眠と呼ばれるものとして科学の俎上に乗るには、その後まだ100年近い時を必要とした。
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