カントによる「オートノミー」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:15 UTC 版)
「オートノミー」の記事における「カントによる「オートノミー」」の解説
イマヌエル・カント (1724-1804)は現代倫理に関する3つのテーマによってオートノミー( ドイツ語: Autonomie )を定義したものと現代倫理学の哲学者達によって解釈されている。第一に、他者からの干渉を排除して自らの決定を下す権利としてのオートノミー(自主性・自主権・自己決定権)。第二に、自らの心の独立性を通してそして個人的な熟考の後にそのような決断をする能力としてのオートノミー(自律性)。第三に、オートノミー(自立的)に生活するための理想的な方法として。要約すると、オートノミーは、自分が所有する内なる道徳的な権利(Moral rights=内心の道徳的な権利=人格権)、または日常生活の中で展開する出来事に対してある程度のコントロールまたはパワーを提供する自分自身のために考え、決定を下すために私たちが持つ能力とされる。カントによると、道徳は、その道徳的欲求が定言命法で表現され、オートノミーを前提としたものであると主張した。 「道徳の形而上学の基礎づけ」、でカントはまた人格と人間の尊厳の概念を定義するためにオートノミーの概念を適用した。オートノミーは、合理性と一緒に、意味のある生活のための2つの基準としてカントによって解釈された。それはオートノミーがあるがゆえに、人間の行動は道徳的に賞賛に値するか、または非難に値するものとなる。植物や動物などの非オートノミーな存在は、その行動が非オートノミー的であるために非難に値するものではなくなる 。
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