カントに帰れ 新カント派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 02:29 UTC 版)
「ドイツ現代思想」の記事における「カントに帰れ 新カント派」の解説
ヘーゲルによれば、彼がカント哲学を超克したことにより哲学の歴史は終わるはずであったが、歴史は繰り返される。19世紀半ば、オットー・リープマンがその著書『カントとその亜流』で発した「カントに帰れ」(Zurück zu Kant!) という標語をきっかけにカント理論が復権し始め、新カント派が成立する。その後、ヴィルヘルム・ヴィンデルバントにより西南ドイツ学派(バーデン学派)が創始されると歴史主義に哲学的基礎を与えたディルタイがその領域によって自然科学と精神科学を区別したことをヴィンデルバントは批判し、自然科学は「法則定立的」(nomothetisch)であるのに対し、精神科学は「個性記述的」(idiographisch)であると特徴づけ、自然科学と精神科学は「領域による違い」ではなく、「方法による違い」によって区別されるとして、精神科学に自然科学と異なる学問としての独自性を主張した。ハインリヒ・リッケルトは、精神科学に代わる概念として「文化科学」という概念を立て、これを体系化しただけでなく、相対主義を克服した価値哲学の構想を立てた。
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