カフェ・コンセール
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カフェ・コンセール(フランス語: café-concert または caf'conc、café à chansons、cabarets à chansonsなど)は19世紀後半から20世紀のはじめのフランスの、ショーを見せる飲食店(の形態)である。パリのカフェ・コンセールは多くの画家の題材となった。
概要
いわゆる「コーヒーハウス」とも「コンサート・ホール」とも異なり1849年頃、屋外のカフェで音楽家らが演奏を聞かせる「café-chantants」という形態から発展し、より大きな店舗となり、より大人数による演芸を見せられる場所になった。一般的には簡単な木製の舞台が作られ、歌手などが、ショーを演じた。客は飲食をしながら、歌や踊りのショーを見ることができた。小規模な楽団も舞台に上がることができた。19世紀の末にはいわゆる「ミュージック・ホール」という名称で呼ばれることが多くなった。有名なパリのカフェ・コンセールには、 コンセール・デザンバサドゥール(Concert des Ambassadeurs)、グラン・コンセール・パリジャン(Grand Concert Parisien)、バタクラン(Ba-Ta-Clan)、エデン(Eden)、エルドラド(Eldorado)、スカラ(Scala)、ボビーノ(Folies Bobino)、アルカザール(Alcazar)などがあった。
オノレ・ドーミエ、エドガー・ドガ、エドゥアール・マネ、ロートレックらの画家がカフェ・コンセールの風景を描いた絵画を残した。
カフェ・コンセールを描いた絵画
関連項目
- ラ・シガール - カフェ・コンセールを起源とするパリの劇場
参考文献
- Wieland Barthelmess: Das Cafe-Concert als Thema der französischen Malerei und Graphik des ausgehenden 19. Jahrhunderts. Berlin 1987.
- Klaus Budzinski, Reinhard Hippen: Metzler-Kabarett-Lexikon. Stuttgart 1996, ISBN 3-476-01448-7.
- François Caradec, Alain Weill: Le café-concert (1848-1914). Fayard, Paris 2007, ISBN 978-2-213-63124-0.
カフェ・コンセール(1894-1900年)
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「ル・トリアノン」の記事における「カフェ・コンセール(1894-1900年)」の解説
「トリアノン=コンセール」は、カフェ・コンセールとして1894年にエリゼ・モンマルトルの庭園に建てられた。当時、いくつかの劇場を手がけていた若手建築家のエドゥアール・ ニエルマン(1859-1928年)による設計である。パリ最初の音楽ホールの1つとして1895年に開業した。ミスタンゲット(ジャンヌ・ブルジョワ)は、プティ・カジノと開業1年目のトリアノン・コンセールでデビューを飾った。彼女の声質は細かったものの、妖艶な演技とその美脚でムーラン・ルージュのスターになった。 1897年、エリゼ・モンマルトルの新しい所有者によって2つの部屋が増築された。1つはコンサート、レビュー、リサイタル用で、もう1つはダンス、スケート用である。エドゥアール・ ニエルマンは増築にあたり、ギュスターヴ・エッフェルがパリ万国博覧会 (1889年)で使用した鋼鉄を使用した。ラ・グーリュやGrille d’Egoût、Valentin le désosséといったアーティストがステージで公演し、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックは常連であった。早着替えアーティストのレオポルド=フレゴリもここで公演した。 1900年2月17-18日の夜にかけて発生した火災により、ホールとエリゼのその他の建物が焼失。建物の正面部分だけが残った。フレゴリはこの火災で装飾品や衣装を全て失った。
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