カドリ死刑囚の処刑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/22 06:52 UTC 版)
「アーシア・ビビ事件」の記事における「カドリ死刑囚の処刑」の解説
2016年2月29日、パキスタン北部のラーワルピンディーでタシール知事を殺害したムムターズ・カドリが処刑された。専門家らは、「過激派の隆盛を許さず、法による支配を守るとするパキスタン政府の強い決意を示すもの」とみなし、「長年、武装勢力と戦う同国にとって重要な瞬間だ」と評した。カドリ死刑囚の弁護士グラム・ムスタファ・チャウダリーによると、死刑囚は、「もしアッラーが5千万の命を自分に与えたとしても、この5千万の命をすべて犠牲にするだろう」とし、タシール知事の殺害を後悔していないことを明らかにした。 翌日の葬儀には死刑に抗議する市民ら数千人が集まった。一方、3月1日午後にラーワルピンディーの公園で行われた追悼行事では、群衆が周囲の道路を埋め尽くして政府への批判を叫び、元死刑囚を殉教者と称えた。葬列にはイスラム政党の指導者らが加わり、元死刑囚の勇気を賛美するスローガンが掲げられた。この日、パキスタンでは全国的に警戒が強化され、葬儀の模様は一切報道されなかった。 3月7日にはパキスタン北西部のカイバル・パクトゥンクワ州で弁護士らを標的とした自爆攻撃が発生し、13人が死亡、23人が負傷した。パキスタン・タリバン運動系グループ「ジャマト・ウル・アハラル」が、カドリ死刑囚が絞首刑になったことに対する復讐だとして犯行声明を発表した。
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