オーブントースター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/22 18:38 UTC 版)


オーブントースター(和製英語、英語では toaster oven [注釈 1]の語順)は、オーブンの形式で加熱できる電気式の調理器具。電気トースターのうちオーブン型のものを指す[1]。
概要
オーブン式トースターの世界的なシェアはトースター製品群の約2割程度で日本を含めたアジア地域で用いられている[2]。食パンを焼く機器としては、欧米ではそれに特化したポップアップ式のトースターのほうが好まれる傾向があるとされ、「グローバルトースター市場 製品カテゴリ割合 2023」(Fortune Business Insightsのリサーチデータから作成)によると、ポップアップ式トースターはトースター製品群のうち66.73%のシェアで主流となっている[2]。
日本では1963年(昭和38年)に東芝が最初に発売し(東芝HTR-61)、その製造元は谷田製作所(現・タニタ)であった[3]。
なお、日本の電気用品安全法の範囲等の解釈では、「085 電気トースター」は「専らスライスされた食パンを焼くための電熱器具」とされ[4]、一般にオーブントースターと呼ばれている機器は「086 電気天火」に区分している[5](トースターの形式についてはトースターも参照)。
構造
前開きで中の見える扉(調理物の焼き加減を確認できる耐熱ガラス製の開き戸)、温度調整機構とタイマーを標準装備とする[6]。タイマーは機械式(ゼンマイ式)か電子式である[6]。
内部には網が設置され、棚は食パン2枚が並べられる程度が普通である[6]。ヒーターにはセラミックパイプヒーターを用いることが多い[6]。
用途
食パンを焼くほか、クロワッサンやバターロールを温めたり、ピザや餅を焼くなど、複数のニーズに対応した機種である[6]。
パンを立てて焼くトースターには難しい、バターやマーガリンなどのスプレッドを塗ったり、チーズやハムといった具材を乗せた食パンや、トースターに入らない厚切り(2~5枚切り)食パン、さらには食パン以外のパン(ロールパンやコッペパン、またそれらに具材を挟んだホットドッグなど)のトーストも可能である(厚切りパンは名古屋から西日本で好まれる[7])。
事故例
過去には以下のような事故例がある。
油分が多い食品は爆発的に燃え出すことがある[8]。チーズや餅など加熱の過程で形状が変化する食品は調理中にヒーター部分に接触して火災になることがある[8]。また、魚や肉、揚げ物のように調理中に油が滴るものをトレイなしで使用した場合にも火災になることがある[8]。
日本国内のトースターメーカー
現在生産中
- パナソニック(旧・松下電器産業)
- 日立グローバルライフソリューションズ(旧・日立リビングサプライ)
- 東芝(東芝ホームテクノ。販売元は東芝ライフスタイル)
- シャープ(ヒーター式単体トースターは製造しておらず、ウォーターオーブン「ヘルシオ」シリーズのみ製造)
- アイリスオーヤマ
- オーム電機
- タイガー魔法瓶
- 象印マホービン
- アラジン
- コイズミ
- ツインバード
- バルミューダ
生産より撤退
脚注
注釈
- ^ なお oven の発音は 「アヴン」であるが、いわゆる天火を指す和製英語としてオーブンが定着している。
出典
- ^ 『現代商品大辞典 新商品版』 東洋経済新報社、1986年、772頁
- ^ a b Orii Tatsu (2024年6月28日). “あなたは欧米式トースター派? 日本式トースター派?”. NEWS PICKS. 2025年8月22日閲覧。
- ^ “昭和家電パラダイスガイドブック”. 青森県立郷土館. p. 2. 2025年8月22日閲覧。
- ^ “085 電気トースター”. 経済産業省. 2025年8月22日閲覧。
- ^ “086 電気天火”. 経済産業省. 2025年8月22日閲覧。
- ^ a b c d e 牧浦 健二、牧浦 昭夫「「イノベーターのジレンマに関する一考察」―日本の事例研究による検証を中心にして―」『商経学叢』第61巻第2号、近畿大学商経学会、2014年12月、25-60頁。
- ^ 大阪食のタブー集・マナー集・常識集
- ^ a b c d e f “PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)Vol.439 10月24日号「オーブントースターの事故」”. 独立行政法人製品評価技術基盤機構. 2025年8月22日閲覧。
関連項目
「オーブン トースター」の例文・使い方・用例・文例
- 従来型のオーブン
- オーブンから取り出した焼きたてのパン
- クッキーがオーブンからこんがり焼けて出てきた
- 彼女はオーブンからケーキを出した
- ガスオーブン
- 牛肉はオーブンでおいしそうに焼けていた
- オーブンをよく磨いてください
- 熱いオーブンのそばでバターは柔らかくなり始めた
- オーブンを摂氏180度まで熱する
- 200度のオーブンで10分焼く
- 彼が30cm角程度の天板にオーブン用のシートを敷く
- オーブンでトウモロコシパンを焼いた。
- 彼はオーブン焼きであればなんでも好物だ。
- 彼女はチキンをオーブングリルで焼き直した。
- 私はオーブンでラスクを焼き直した。
- 160度のオーブンで焼き上げる。
- 私はそれをオーブンで焼きます。
- あなたはそれをオーブンで焼きます。
- あなたは最後にそれをオーブンで焼きます。
- オーブントースターのタイマーが鳴る。食パンがコンガリ焼けた、香ばしい匂い。
固有名詞の分類
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