オーバーブローとフラジオレット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 05:06 UTC 版)
「倍音」の記事における「オーバーブローとフラジオレット」の解説
管楽器や弦楽器では、同じ管や弦の長さでも、一部の倍音成分を強調してより高い音を奏でることが出来る。特に金管楽器ではその出される音のほとんどはこの奏法による。このような音や奏法を、管楽器ではオーバーブロー(overblow)、弦楽器ではフラジオレット(flageolet)またはハーモニクスと呼ぶ。なお、物理的には、元になる振動の第n倍音を強調して新たな基音とする状態を、第n次モードと呼ぶ。 木管楽器においては、最低音よりもオクターヴ以上高い音を出すときに、第2倍音以降が用いられる。ただし、クラリネットにあっては偶数倍音が得られないので、1オクターヴと完全5度以上の音を出すときに第3倍音以降の奇数倍音が用いられる。しばしば倍音を出しやすくするために、側孔を用いる。それに比べてサキソフォンは音の発生原理から比較的簡単な奏法となる。フルートでは、低い音の運指を使ってオーバーブローを用いることがあり、ハーモニクスと呼ばれる。 金管楽器にあっては、スライドを持ったトロンボーンを除き、バルブが実用化されるまではオーバーブローのみが音を変える手段であった。金管楽器では第2倍音以降が常用され、「ペダルノート」と呼ばれる第1倍音はトロンボーン、ホルン、チューバなどでたまに用いられるだけである。 弦楽器においては、振動する弦の1/nの所に軽く触れることによって基音と幾つかの倍音が抑制され、n次モードの発音を得る。
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