オクテット (コンピュータ)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > オクテット (コンピュータ)の意味・解説 

オクテット (コンピュータ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/09 07:47 UTC 版)

オクテット: octet、8個組の意味)は、コンピュータの、特に通信関係の分野などで、厳密には8ビット以外を指すこともある「バイト」の代わりに、必ず8ビットのことを指すものとして使われている語である。

「バイト」と違い、「オクテット」は必ず8ビットを意味するものであり、通信分野などでプロトコルなどを定義する際などに必要となる。

概要

オクテットの主要な使われ方には、IETFにより発行されるRFCがある。初期の例では1974年RFC 635で、フランス語、フレンチカナディアン、ルーマニア語で、「8ビット」の意味で「オクテット」の語が「バイト」の代わりに一般的に使われており、「メガバイト (MB)」は「メガオクテット (Mo)」である。

コンピュータの歴史の初期には、「バイト」は「8ビット」の意味とは標準化されておらず、色々なマシンによって、異なる(比較的小さな)サイズの単位を表した。後にSystem/360マイクロコンピュータの普及によって、「1バイト = 8ビット」の処理系が普及した。2008年発行のIEC 80000-13で正式に「バイト」は8ビットであると定義されたため、今日では「バイト」と「オクテット」はほぼ同義語だが、幾つかの大型コンピュータ(一部のメインフレームミニコンピュータなど)では、混乱を避けるための注意が必要である。

オクテットは8つのバイナリのビットのため、しばしば16進数10進数8進数で表現・表示される。8つのビットの全ての値がセットされる(オンになる)と「11111111」となり、これは16進数では「FF」、10進数では「255」、8進数では「377」となる。

オクテットはInternet Protocol (IPv4) コンピュータネットワークのアドレスでも使われている。それらは4オクテットのシリーズから構成されており、通常は10進数で、ドットで区切られて表示される。全ての8ビットのセットがオンになると、ネットワークアドレスの最大値となり「255.255.255.255」となる。

一覧

オクテットは、SI接頭語または1998年IECによる標準化である2進接頭辞で使用することができる。

1 kibioctet (Kio) = 210 octets = 1,024 octets
1 mebioctet (Mio) = 220 octets = 1,024 Kio = 1,048,576 octets
1 gibioctet (Gio) = 230 octets = 1,024 Mio = 1,073,741,824 octets
1 tebioctet (Tio) = 240 octets = 1,024 Gio = 1,099,511,627,776 octets
1 pebioctet (Pio) = 250 octets = 1,024 Tio = 1,125,899,906,842,624 octets
1 exbioctet (Eio) = 260 octets = 1,024 Pio = 1,152,921,504,606,846,976 octets
1 zebioctet (Zio) = 270 octets = 1,024 Eio = 1,180,591,620,717,411,303,424 octets
1 yobioctet (Yio) = 280 octets = 1,024 Zio = 1,208,925,819,614,629,174,706,176 octets

10の冪乗単位で、SI接頭語キロメガギガテラなどが以下のように付く。

1 kilooctet (ko) = 103 octets = 1,000 octets
1 megaoctet (Mo) = 106 octets = 1,000 ko = 1,000,000 octets
1 gigaoctet (Go) = 109 octets = 1,000 Mo = 1,000,000,000 octets
1 teraoctet (To) = 1012 octets = 1,000 Go = 1,000,000,000,000 octets
1 petaoctet (Po) = 1015 octets = 1,000 To = 1,000,000,000,000,000 octets

語源

オクテット」(8個組の意味)は、ラテン語ギリシャ語の数字の「octo-」から来ている。

類似の用語

使用例はごく少数ではあるが、類似の用語として例えば RFC 4042 では、9ビットを nonet(9個組、9人組、九重奏の意味)、7ビットを septet (7個組、7人組、七重奏の意味)、16ビットを hexadecet と呼んでいる。

また、4ビットのことを quartet(4個組、4人組、四重奏の意味)と呼ぶこともある(ニブルを参照)。

その他

Unix系オペレーティングシステムファイルシステムのドキュメントでは[1]ファイルパーミッション(リード、ライト、実行)として使われる3ビットの意味で、混乱した用語として「permission octet」[2]が、正しい「permission triplet」の代わりに時々使われているのが見られることがある。おそらく、パーミッションビットの意味が3桁ごとであることから多用される八進表現 (octal) との混同であろう。

参照

  1. ^ Dhanjani, Nitesh (2003). Linux and UNIX Security Portable Reference. Hack Notes. McGraw-Hill Professional. pp. 146. ISBN 0072227869. https://books.google.co.jp/books?id=Ly_C9AhR8K0C&pg=RA1-PA146&lpg=RA1-PA146&source=web&ots=CROzTt-MFC&sig=_Gp0C-5_7AkvAVtb5OCVLxx-ly0&redir_esc=y&hl=ja#PRA1-PA148,M1 2009年1月28日閲覧。 
  2. ^ System Administration Guide: Security Services”. docs.sun.com. サン・マイクロシステムズ, Inc. (2008年). 2009年1月28日閲覧。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オクテット (コンピュータ)」の関連用語

オクテット (コンピュータ)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オクテット (コンピュータ)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオクテット (コンピュータ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS