エラスムス像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 01:04 UTC 版)
リーフデ号そのものは現存しないが、船尾に飾られていたというエラスムスの木像(1598年製作)が現存する。旗本牧野成里の領地であった栃木県佐野市上羽田の龍江院が所蔵している。龍江院ではこの像を船を発明したという古代中国の伝説を持つ貨狄(かてき)の像(別名「貨狄尊者」、「貨狄観音」)として祀った。このエラスムス像は昭和5年(1930年)に国宝、昭和25年(1930年)の法改正で重要文化財指定を受けると東京国立博物館に寄託され、佐野市郷土博物館の展示品は複製品である。高さ105cm(3尺4寸5分)、頭にかぶり物をし、右手には巻物を持つ。巻物の第1行には「ER(AS)MVS」、第2行には「R(OT)TE(RDA)M1598」とある。体内には空洞があり、直径は下部で2寸4分、上部で1寸8分。その空洞を通じて背面から前面に通じる孔穴が中央および下端の2箇所にある。 1930年の調査により、オランダの研究者に鑑定を依頼した丸山瓦全 (がぜん・1874-1951年) がオランダのエラスムス像であると発表すると譲渡の申し入れをオランダから受けるが、国内にとどめることになった。丸山は栃木出身で、オランダ政府との交渉を伝えるその書簡が判読されると「日蘭交通史」の資料としてどうしても国内にとどめようと主張する心情が確認された。同像は昭和11年(1936年)にオランダに貸与が決まった。
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