ウィーク型効率性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 19:02 UTC 版)
ウィーク型効率性では、過去の価格の分析から未来の価格を予想することはできないことが仮定される。株価の履歴やその他の履歴に基づく投資戦略を用いて長期的に過剰報酬を稼ぐことはできない。何らかのファンダメンタル分析が過剰報酬をもたらすことがあったとしても、テクニカル分析の技術が過剰報酬を継続的に生み出すことはない。株価は系列依存性を見せず、言い換えると資産価格に「パターン」は存在しない。これは未来の値動きがもっぱら価格に含まれていない情報によって決定されるということを暗示している。このような「ソフトな」効率的市場仮説は価格が均衡またはその付近に留まるということを要求せず、市場参加者が市場の「非効率性」からシステマチックに利益を得ることができないことのみを要求する。しかし、効率的市場仮説は(ファンダメンタル情報の変化がないときの)全ての値動きはランダム(つまりトレンドを持たない)と予想するが、株式市場が数週間かそれ以上にわたるトレンドを持つという市場の傾向を多くの研究が示しており、更にトレンドの強さと長さには正の相関があるという研究もなされている。このような大きくて明らかに非ランダム的な値動きについての様々な説明が発表されている。 全ての入手可能な情報を反映したアルゴリズムによる価格構築の研究は、情報科学分野の広範囲で研究されている。 ウィーク型の効率的市場仮説を検証する斬新なアプローチとして、情報理論から導かれた数量化を用いる手法がある。この方向性では、ルチアーノ・ズニーノらは情報の効率性が市場規模および経済発展のステージと関係することをみつけた。アウレリオ・バリビエラらは、重要な経済イベントの情報効率性への影響力を明らかにした。ズニーノ、バリビエラと共著者ら経済物理学者が提案した方法論は、既存の経済学の技法に代わる新たな選択肢であり、価格時系列に潜在する確率的またはカオス的な力学の変化の検出を可能にする。
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