ウィークス・アイランドの構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/23 16:10 UTC 版)
「ウィークス・アイランド」の記事における「ウィークス・アイランドの構造」の解説
ウィークス・アイランドの構造はボーリング、弾性波探査(人工地震)などによってほぼ解明されている。岩塩は円柱状をなし、頂上はほぼ水平であってウィークス・アイランドの地下27mに達している。つまり、周囲の地表よりも岩塩の頂上の方が高い。頂上部の直径は約2.7km、地下3000mでは3kmである。地下5000mまでは連続した円柱構造が保たれている。岩塩の本来の堆積層は地下1万6000mよりも深いが、堆積層から岩塩ドームまでが連続しているのかどうかは分かっていない。 ウィークス・アイランドの岩塩はドイツの岩塩と比較しても質に劣らず、重要な工業原料となるため、採鉱の対象となった。総延長1000mの坑道が碁盤の目のように規則的に形成された。2007年時点においても、米国最大の食塩製造業者である米Morton salt社によって岩塩の採掘が継続している。ただし、操業レベルは低下している。一方、コートブランシェアイランドの岩塩生産能力は2007年においても、9トン/分に達する。 坑道によって新たに明らかになった事実もある。一般に岩塩には縞模様のように見える層理構造が存在する。これは蒸発時の条件の違いによって形成されたものだ。坑道の表面を観察すると一部の層理構造がほとんど直角にまで褶曲していた。層理構造をさらに調査すると、岩塩ドームの中心部はほぼ水平であり、褶曲の度合いが等しい面が同心円状に外に向かっていった。これは岩塩ドームが何らかの力によって下方から押し出されてきたことを意味する。直接的な証拠もある。採鉱を続けるうちに坑道自体も変形していったからだ。変形速度は最大0.8mm/年である。 岩塩ドームと周囲の地層の関係は、原油採掘と密接に関係するため詳細な調査が行われた。例えば地下3000mから3500mにおいて、円柱状の岩塩体が原油を含む砂岩層を突き破っている。砂岩層の本来の深度は約4000mであるから、厚手のゴムシートを下方から突き破る杭のように砂岩層が持ち上げられたことになる。岩塩は水や原油を透過しないため、岩塩ドームに沿って周囲にドーナツ状に原油が集積する。 ウィークス・アイランドにおいても米Shell Oil社が1945年に原油を含んだ地層を発見、2007年時点では米Meridian Resource社による開発が続いている。
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