イングランドの目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 02:12 UTC 版)
「合同法 (1707年)」の記事における「イングランドの目的」の解説
イングランド側の目的はスコットランドとの同君連合が解消されない、すなわちイングランド王とスコットランド王が別人になることを防ぐことだった。イングランドとスコットランドは17世紀のほとんどの時期において同君連合を組んでいたが、スコットランド王とイングランド王が別人になった場合、たとえスコットランド王がプロテスタントのままだとしても、反イングランド同盟に加担する可能性があった。イングランドでは1701年王位継承法によりハノーヴァー家出身のプロテスタントのみがイングランド王に即位できると定められた。この王位継承法によって束縛されることを嫌ったスコットランドでは、1704年安全保障法(英語版)が制定されることとなる。同法ではアン女王が子女のないまま死去した場合、スコットランド議会が後継者を指名すると定められた。しかも、イングランドが自由貿易と自由航海を保障しない限り、イングランド王の在位者をスコットランド王として指名できないよう定めた。イングランドは報復として1705年外国人法(英語版)を可決、スコットランドが1705年12月25日までに合同交渉に応じ、ハノーヴァー朝による王位継承を受け入れない限り、スコットランド人を外国人として扱い(スコットランド人によるイングランドの財産相続に影響を及ぼす)、スコットランドからの主要物産に禁輸措置をとると定めた。結果的に成立したグレートブリテン議会ではイングランド選出の議員数がスコットランド選出の議員数よりはるかに多かったため、スコットランドが反対した程度では法案可決を阻止できなくなった。
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