イル・ガーズィーの時代とは? わかりやすく解説

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イル・ガーズィーの時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/28 10:23 UTC 版)

アルトゥク朝」の記事における「イル・ガーズィーの時代」の解説

1107年、イル・ガーズィーはムハンマド・タパルによって南ジャズィーラからディヤール・バクルへ再封された。ムハンマド・タパル1104年バルキヤールク没後単一大セルジューク朝スルタンとなっていたが、ルーム・セルジューク朝クルチ・アルスラーン1世はこれに敵対しジャズィーラへの侵攻ねらっていた。イル・ガーズィーのディヤール・バクルへの配置はこれに対処するためであった。イル・ガーズィーは目的果たし、クルチ・アルスラーンを撃退している。その後1108年、甥イブラーヒームからマルディン獲得した1110年ムハンマド・タパルはアルトゥク家をはじめ、アーミド現在のディヤルバクル)、アフラート、アルザーンなどのトゥルクマーン諸勢力糾合して、対十字軍戦を試みた。しかしイル・ガーズィーとアフラートのスクマーン・アル=クトゥビー(兄弟スクマーンとは別人)とのあいだに確執生じ成果をあげることはできなかった。これが原因となってムハンマド・タパルとイル・ガーズィーの関係も悪化した。これ以降アルトゥク朝スルタンによる対十字軍戦への参加慎重になってゆく。 イル・ガーズィーは1114年にはムハンマド・タパル麾下モースル統治者アクスンクル・アル=ブルスキーに対抗するトゥルクマーン部族連合形成しダマスカスのアタベク・トゥグテギン(ブーリー朝始祖)、十字軍アンティオキア公国とともにモースルおよびムハンマド・タパル戦った1115年セルジューク朝軍の大敗遠因はここにある。 1118年ムハンマド・タパル死によってセルジューク朝脅威から解放されたイル・ガーズィーは再び対十字軍戦に乗り出すこのころ、北シリア中心都市アレッポではシリア・セルジューク朝アレッポ政権リドワーン没後幼主続いて衰亡し、さらにアンティオキア公国ニザール派圧迫受けて無政府状態様相呈していた。イル・ガーズィーはアレッポカーディー、イブン・アル=ハッシャーブの要請にしたがって南下してアレッポ入りリドワーンの娘をめとって幼主スルターン・シャー後見として政権受け継いだ。 イル・ガーズィーはダマスカスのトゥグテギンと同盟して、翌1119年7月28日アンティオキア公国軍とサルマダの平野会戦大勝利収めた。これによってアンティオキア無防備状態に置かれるが、ディヤール・バクルに本拠を置くイル・ガーズィーは十字軍を含むグルジアビザンツなどキリスト教勢力との全面的対決を望まず、アンティオキア攻略戦をせずに撤退した。この時点諸勢力中でもアルトゥク朝軍事力傑出したものとなった1121年、対グルジア戦を行っていた大セルジューク朝スルタン・マフムードは、この軍事力利用しようとしてグルジア侵攻命じた。しかしイル・ガーズィーはグルジアのデヴィド4世戦って大敗喫しセルジューク朝ティフリス現在のトビリシ)を失った。なお、このとき戦功としてイル・ガーズィーはディヤール・バクルにおける最後セルジューク朝拠点マイヤーファーリキーンを獲得している。イル・ガーズィーは1122年、マイヤーファリーキーンで死去同地葬られ息子たちのうちスライマーンがマイヤーファリーキーンとアレッポを、ティムルタシュがマルディン継いだ

※この「イル・ガーズィーの時代」の解説は、「アルトゥク朝」の解説の一部です。
「イル・ガーズィーの時代」を含む「アルトゥク朝」の記事については、「アルトゥク朝」の概要を参照ください。

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