イスラームにおける世界観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 03:06 UTC 版)
イスラーム哲学における世界観 イスラーム哲学においてはクルアーン(コーラン)に「真理は神の下し賜うところ」と明記されているため、それ自体を疑うものはまず存在しなかった。しかしギリシャ的な自由意志の問題がイスラームにはいってくると、アッラーフ(アッラー)の真理表現をめぐって論争がおこなわれた。自由意志を保証する理性がアッラーフの本質であるとし、これを尊重するムアタズィラ派がアッバース朝時代最盛期を迎えるが、悟性による素朴な実感にアッラーフの真理を見出すガザーリーが出現するに及んで、哲学的な世界観論争には一応の決着をみた。彼以後のイスラーム哲学は神秘主義的傾向を強めていく。 イスラーム教における世界観 一神教のなかでも特に徹底しており、後述する神学的世界観に記した世界観が支配的である。なお、イスラームに特有の世界観としてキリスト教徒やユダヤ教徒を「啓典の民」とする考えがある。これは、イスラームが年代的に新しい「若い宗教」であることに起因する。そこではムハンマドは最後にして最大の預言者として位置づけられ、『旧約聖書』『新約聖書』は他の預言者(モーセやイエスなど)が神からの啓示を得て記された「啓典」とみるのである。
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