アンダーグラウンド・コミックス運動
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「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事における「アンダーグラウンド・コミックス運動」の解説
1960年代に起こったアンダーグラウンド・コミックス運動の中で、作者の自己表現としてのクリエイター・オウンド作品が現れ始めた。この動きを代表するものとして、アンダーグラウンド系出版社リップオフ・プレス(英語版)や、「全米カートゥーン労働者組合」(United Cartoon Workers of America, UCWA) と「カートゥーン作家協同組合出版」(Cartoonists Co-Op Press(英語版)、クープ・プレス)の設立がある。 ギルバート・シェルトン、ジャック・ジャクソンほか四名によって1969年に設立されたリップオフ・プレスはカートゥーン作家の協同組合に近いもので、当時ベイエリアで勢いがあったアンダーグラウンド系出版社(プリント・ミント、エイペックス・ノヴェルティーズ、カンパニー&サンズなど)に代わる作品発表の場とされた。 UCWAは非公式の労働組合で、カートゥーン作家のロバート・クラム、ジャスティン・グリーン(英語版)、ビル・グリフィス(英語版)、ナンシー・グリフィス、アート・スピーゲルマン、スペイン・ロドリゲス(英語版)、ロジャー・ブランド(英語版)、ミシェル・ブランド(英語版) らによって1970年に設立された。UCWAの成員は、クラムのようなスター作家であるか初めて作品を出す新人であるかによらず、すべてのカートゥーン作家が一律の原稿料を要求すると取り決めていた。また、作家に対して不正を働いた出版社とは仕事をしないという合意もあった。デニス・キッチン(英語版)のキッチンシンク・プレス(英語版)はUCWAの「第2号支部・ミルウォーキー」となった。この時期に刊行されたアンダーグラウンド・コミックスの多くが表紙にUSWAのブランドを入れていた。 クープ・プレスは1973年から1974年にかけて活動していた自費出版ベンチャーで、グリフィス、スピーゲルマン、キム・ダイチ(英語版)、ジェリー・レーン、ジェイ・リンチ(英語版)、ウィリー・マーフィー(英語版)、ダイアン・ヌーミン(英語版)らが参加していた。リップオフ・プレスと同じく、会計不正が横行していると考えられていた既存のアンダーグラウンド出版社に代わるものであった。
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