アレスリンとは? わかりやすく解説

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アレトリン

分子式C19H26O3
その他の名称アレスリン、アレトリン、ビオアレトリン、Allethrin、Bioallethrin、2,2-Dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropanecarboxylic acid 2-methyl-4-oxo-3-(2-propenyl)-2-cyclopenten-1-yl、2,2-Dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropane-1-carboxylic acid 3-allyl-2-methyl-4-oxo-2-cyclopenten-1-yl ester、2,2-Dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropanecarboxylic acid 2-methyl-4-oxo-3-(2-propenyl)-2-cyclopenten-1-yl ester、2,2-Dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropane-1-carboxylic acid 2-methyl-4-oxo-3-(2-propenyl)-2-cyclopentenyl ester、d-trans-アレトリン、d-trans-Allethrin、エスビオトリン、Esbiothrin、2,2-Dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropane-1-carboxylic acid 3-allyl-2-methyl-4-oxo-2-cyclopentenyl ester
体系名:2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イル、2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパン-1-カルボン酸3-アリル-2-メチル-4-オキソ-2-シクロペンテン-1-イル、2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパン-1-カルボン酸2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテニル、2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパン-1-カルボン酸3-アリル-2-メチル-4-オキソ-2-シクロペンテニル


アレスリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 23:23 UTC 版)

アレスリン(allethrin、アレトリン)とは、殺虫剤として使用される合成化合物である。ただし、分離が可能な、8種の立体異性体が存在する。このためアレスリン類(allethrins)と呼ばれる場合もある。アレスリン類は、天然においてシロバナムシヨケギクの花から見出される化学物質の合成体、つまり、合成ピレスロイドである。

立体化学

アレスリンI(R = −CH3
アレスリンII(R = −COOCH3
なお、波線の部分は、キラル中心に結合している側が、S体かR体かのどちらかである事を示す。

アレスリンには、その構造から明らかなように3箇所のキラル中心が存在する。光学分割を行って人工合成しない場合、特殊な場合を除いて、このキラル中心での絶対配置、つまり、S体かR体かを指定できない。したがって、S体かR体かの2種類が3箇所で、23種類、すなわち、8種類の立体配座が存在する[注釈 1]

なお、アレスリンは、一部を立体選択的に合成する場合もある。2種の立体配置異性体のみで構成されている部分的にエナンチオ純粋なアレスリンIは、ビオアレトリン英語版(bioallethrin)と呼ばれる。

生理活性

アレスリン類は、哺乳類および鳥類に対しては毒性が低い。しかしながら、魚類および昆虫に対しては高い毒性を示す。アレスリン類に曝露された昆虫は、アレスリン類が神経毒として作用するため、死亡する前に麻痺状態となる。このため、飛んでいた昆虫は、まず地面に落下して、その後しばらくしてから死亡する。

なお、いくら哺乳類や鳥類に対しては毒性が低いとは言えば、全くの無害ではない。さらに特異体質の場合には、アレルギーを引き起こし得る。特に喘息患者は、注意を要する。

用途

アレスリン類は、RAID (殺虫剤)英語版蚊取線香といった多くの室内用殺虫剤に、殺虫成分として使用されている。

また、屋外での対策のための超微量散布スプレー英語版にも使用されている。

歴史

アレスリン類は1949年に、Milton S. Schechterによってアメリカ合衆国において初めて合成された[1]。アレスリン類は初めて合成されたピレスロイドである。

脚注

注釈

  1. ^ 立体異性体には、立体配置異性体だけでなく、立体配座異性体も含まれる。立体配座異性体は、立体化学的に嵩張っていて単結合の部分の回転が抑制されているなどの要因が無いと、分離できない。なお、立体配置異性体には、鏡像異性体であるエナンチオマーと、鏡像異性体ではないジアステレオマーが含まれる。

出典

  1. ^ Schechter, M. S.; Green, N.; LaForge, F. B. (1949). “Constituents of Pyrethrum Flowers. XXIII. Cinerolone and the Synthesis of Related Cyclopentenolones.”. J. Am. Chem. Soc. 71 (9): 3165–3173. doi:10.1021/ja01177a065. 

参考文献

外部リンク


アレスリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 22:04 UTC 版)

ピレスロイド」の記事における「アレスリン」の解説

詳細は「アレスリン」を参照 アレスリン(Allethrin)はピレトリン構造元に初めて全化学合成によって創造され殺虫剤で、構造異なアレスリン Iアレスリン II知られている。なお、いずれも立体不明混合物として合成および命名されているので、アレスリンと呼んだ場合は、8種の異性体混合物を指す。 アレスリン I (Allethrin I) — IUPAC名は 2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号584-79-2。150上で分解せずに揮発する。光、空気アルカリに不安定アレスリン II (Allethrin II) — IUPAC名は 3-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号497-92-7。光、空気アルカリに不安定

※この「アレスリン」の解説は、「ピレスロイド」の解説の一部です。
「アレスリン」を含む「ピレスロイド」の記事については、「ピレスロイド」の概要を参照ください。

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