アリランを巡る問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:57 UTC 版)
2011年6月に中国政府がアリランをはじめとする朝鮮伝統民謡と風習を中国国家級非物質文化遺産(中国語: 中国国家级非物质文化遗产列表)1077に登録した。この件に対し、韓国にある「韓民族アリラン連合会」は抗議声明を出している。 中国は、アリランを国家無形文化遺産にする前から、少数民族である朝鮮族に対する融和策を実施しており、1987年には民族衣装を着た朝鮮族が人民元の2角紙幣(第二套人民幣分紙幣)で登場したのを皮切りに、北京オリンピックでは扇とチャングを利用した朝鮮族の民族舞踊が披露された。さらに、2009年には農楽舞が中国の国家無形文化財に登録されている他、朝鮮族の伝統儀礼や服装も同様に登録されている。 韓国政府はアリランを2012年にユネスコの無形文化遺産として登録するために、かねてから準備を進めていた矢先の出来事だったために、国内では自国の文化を奪われたという単純な感情だけでなく、「中国が中国国内の文化としてユネスコの無形文化遺産登録を狙っている」・「中国の韓国文化と歴史に対する侵害は、どんどん露骨になってきた」と見る警戒論が挙がった。韓国政府は「中国が自国に伝わる『アリラン』を自国内の文化遺産に指定したのであり、韓国の『アリラン』を自国のものとしたわけではない」と問題視しないとコメントしている。
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