アリウス派の主張とは? わかりやすく解説

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アリウス派の主張

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 01:19 UTC 版)

アリウス派」の記事における「アリウス派の主張」の解説

アリウス派の主張内容については、「イエス・キリスト神性否定した」とも、あるいは「イエス・キリストは神的であるとは言おうとしていたが、その神性は神の養子とされたことによる」とも、「イエス・キリストの人性主張し三位一体説退けた」とも言われる。 ただし、「人性主張」との要約についてはやや正確さを欠くもので、アリウス派対峙したニカイア派アタナシオス派)も、イエス神性人性両方認めている。また、アリウスキリストの先在性(マリアによる出産以前から、また万物創造以前から、キリスト自立存在として存在したこと)を認めている。 さらに、「神性否定した」については、正統派立場から見た場合の話で、先述のように「神的であるとは言おうとしていた」と評される事もあり、議論分かれるアリウス自身キリストを「ロゴスなる神」「独り子なる神」として言及している。このようにアリウス正統派違い当事者以外にとっては論点捉えにくい微妙な問題である。 そこで彼らの主張理解するためには、アリウスアタナシオス主張違いよりも、まず双方共通認識注目する必要がある。 彼らに共通する認識重要なものは神による「無からの(万物の)創造」の教義であったアリウスアタナシオスも「無からの創造」の教義きわめて明確な形で持っていた。「無からの創造」の教義異教哲学のまったく知らないものであり、しかも、初期キリスト教神学のなかで徐々に漠然とした仕方現れて来たものであり、それはきわめて驚くべきことであった。「無からの創造」の教義は彼らにとって、神と被造物の間には完全な断絶があることを意味していたからである。神と世界の間には、両者媒介するどのような領域存在しないのである。 これ以前初期のキリスト教徒たちは、神と世界との関係についての理解定式化する試みに際し、ある中間領域設定して、これを神のロゴス同一視していた。ところがもはや、このような中間領域認められなくなってしまった。 アリウス論争において提示されたのは、このような状況のなかで神と世界との関係をいかに考えなおすか、ということだったのである。そして、この再考結果劇的な結果もたらした主教アレクサンドロスアタナシオスが神のロゴスキリスト)を厳密な意味で神の領域帰したのに対しルキアノスアリウスロゴスキリスト)を被造物領域帰したのであるこのような考え方から、キリストを「被造物から神への養子」と考える「養子論従属説」は生まれた養子としての神、あるいは神格は被造性を持った神格となる。このことからアリウス主義キリストの被造性を主張することにその本質があることがわかる。キリストの被造性を主張することには、当然その永遠性否定することも含まれる。そして、神の被造物たるイエスは、神から直接創造され被造物であり、他の被造物キリストを介して創造された、と理解されている。

※この「アリウス派の主張」の解説は、「アリウス派」の解説の一部です。
「アリウス派の主張」を含む「アリウス派」の記事については、「アリウス派」の概要を参照ください。

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