アドレスクラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 02:01 UTC 版)
IPアドレスは、次の5つのアドレスクラスに分かれている。 クラスアドレス範囲用途(先頭ビットの値)クラスA 0.0.0.0 - 127.255.255.255 ネットワークアドレス長は8ビット、ホストアドレス長は24ビット。RFC 791で規定。(0-で始まる) クラスB 128.0.0.0 - 191.255.255.255 ネットワークアドレス長は16ビット、ホストアドレス長も16ビット。RFC 791で規定。(10-で始まる) クラスC 192.0.0.0 - 223.255.255.255 ネットワークアドレス長は24ビット、ホストアドレス長は8ビット。RFC 791で規定。(110-で始まる) クラスD 224.0.0.0 - 239.255.255.255 IPマルチキャスト専用。RFC 1112 で規定。(1110-で始まる) クラスE 240.0.0.0 - 255.255.255.255 将来の使用のために予約されている。RFC 1112 で規定。(1111-で始まる) クラスAからクラスCまでは、ネットワーク部とホスト部の境界が、8ビット単位で区分けされている。クラスAはネットワーク部が短く(8ビット)、ホスト部が長い(24ビット)。すなわち、多くの機器を保有する大組織や、多くの顧客を有する大規模なインターネットサービスプロバイダ (ISP) に割り当てるのに適している。クラスCはその逆である。これは、日本の電話番号において東京などの人口が多い地域には03のような短い市外局番が割り当てられ、人口の少ない地域には長い市外局番が割り当てられているのと同じである。クラスAが約1,677万台、クラスBが65,534台、クラスCが254台のホストを接続できる。 しかし、アドレスクラスを用いたIPアドレス割り当てには問題が生じた。ほとんどのネットワーク(たとえばインターネットサービスプロバイダ)ではクラスAでは大きすぎ、クラスCでは小さすぎたため割り当ての要求がクラスBに集中したのである。クラスBの割り当てを受けたネットワークの中には65,534台のホスト(インターネットサービスプロバイダであれば接続ユーザー数)を同時にすべて接続することがまれであるネットワークも存在し、IPアドレスが無駄に消費されることになった。そこで現在ではアドレスクラスを使わず、ネットワーク部とホスト部の境界を8ビット単位に固定せずに細分化する可変長サブネットマスクやCIDR (Classless Inter-Domain Routing) の使用が一般化している。 IPアドレスの割り当て範囲を示すために、IPアドレスの末尾に「/」(スラッシュ)とともにネットワークアドレス長を付記して表すことも多い。IPv4の場合、MSB側からのビット数でネットワークアドレス長を表す。例えば192.168.0.0/24の表記の場合、ネットワーク部はMSBから24ビットで残り8ビットがホスト部となる。アドレスクラスでなく可変長サブネットマスクを使用した場合、ネットワークアドレス長の数字は必ずしも8の倍数にはならないことになる。
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