あっせん利得罪(アッセンりとくざい)
政治家が官庁への口利きの見返りに財産上の利益を得る行為は、あっせん利得罪として処罰される。2000年に成立した処罰法によって、「口利き政治」からの脱却を目指す。
あっせん行為の範囲は、行政処分の許認可、競争入札、売買などの契約にわたる。政治家が支持者などの依頼に応じて、これら行政処分にかかわる働きかけをし、政治献金などの形で報酬を受けることを禁止するものだ。
処罰の対象となるのは、国会議員をはじめ、その公設秘書、地方自治体の首長や議員。政治家の行政上の職務権限の有無を問わないところが特徴だ。違反した場合、最高で3年の懲役刑が定められている。
例えば、議員Aが地元の建設業者Bから公共事業について口利きを依頼されたとする。政界で有力な議員Aは、同じ政党に所属していることもあり顔なじみの国土交通大臣Cに対し、競争入札など国土交通大臣としての職務として便宜を図るようあっせんした。このとき、建設業者Bが政治資金規正法に基づく合法な寄付を議員Aに対して行った場合を想定している。
2000年、中尾元建設大臣が受託収賄罪で逮捕されたことから、「政治とカネ」をめぐる国民世論を背景に、あっせん利得処罰法が成立した。それまでの収賄罪だけでは、わいろを受け取る側の職務権限など犯罪の構成要件が厳しく、立件が困難だった。
今後は、私設秘書などの第三者があっせんの対価を受け取った場合まで処罰の範囲を広げるかどうかが議論の焦点となる。
(2002.01.24更新)
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