陸揚げ原価
【英】: landed cost
輸入原油の陸揚げ原価は、(1) FOB 代金、(2) フレート、(3) 保険料、(4) コミッション、(5) 関税、(6) 石油税の諸項目を合算したものに、(7) L/C チャージなど銀行手数料、(8) 検定料、(9) 欠減、などを加えたものである。 (1) FOB 代金:積出港における本船渡し原油代金。 (2) フレート(海上輸送運賃):用船形態によって異なるが、航海用船契約の場合、別途デマレージ、バンカー・サーチャージなどの精算が発生する。原価を計算する場合、これら別払運賃を加算しなければならない。 (3) 保険料:海上輸送保険料は通常以下の計算式による。 (付保率)×(保険料率)×(FOB +フレート)/{1-(付保率)×(保険料率)} (4) コミッション:商社経由で原油を購入する場合の商社コミッション、メジャーから購入する場合のフィーなどのこと。DD(産油国からの直接購入)の一般化により、スポット買いを除くとコミッションを支払うケースは非常に少なくなった。 (5) 関税:原油の輸入者は、通関数量 1kL あたり 640 円の関税支払義務を負っている( 1985 年:昭和 60 年 12 月現在)。 (6) 石油税:(1) から (5) までの各項目の合計額に対し、4.7 %の石油税が課せられている( 1985 年:昭和 60 年 12 月現在)。 (7) L/C(letter of credit)チャージなど輸入契約上 L/C の開設が義務づけられている場合の L/C チャージ、および送金などにかかわる銀行諸掛かりのこと。 (8) 検定料:積地あるいは揚地でインディペンデント・インスペクターをたてた場合必要となる。 (9) 欠減:陸揚げ原価を単価で考える時必要となる。通常、海上輸送中、あるいは検尺誤差により欠減が発生する。例えば、CIF バーレルあたり 28 ドルの輸入原油に 0.2 %の欠減が発生すると、CIF 単価は 28 ドルではなく、28.06 ドル(28/0.998)と約 6 セントアップすることになる。 |

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