ゆるキャラ三か条
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:44 UTC 版)
「ゆるキャラ」の提唱者であるみうらじゅんは、あるキャラクターが「ゆるキャラ」として認められるための条件として、以下の三条件を挙げている。 郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。 立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。 愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。 みうらはこれに加えて「原則として着ぐるみ化されていること」も条件に挙げている。また、郷土に由来する「いろんなものを盛り込みすぎて、説明されないと何がなんだか分からなくて笑いを誘うようなところ」、「突っ込みどころの多くとんちんかんなところ」、「プロが商品開発のことを考えてリサーチしたりせず、行政や市民といったキャラクター作りの素人が作るがゆえのゆるさ」、なども指摘する。 条件に「郷土愛」が含まれていることからもわかるように、みうらの想定はあくまで「地方の村おこし・地域振興のためのキャラクター」であり、この定義に従えば全国展開する大企業のプロモーションキャラクターは対象に含まれないことになる。しかし2009年の『ゆるキャラまつり』にはNTTドコモの「ひつじのしつじくん」のような大企業のキャラクターも参加を認められており、時代とともに対象の範囲は拡大されている。ただし当時の『ゆるキャラまつり』実行委員会では、大企業などのキャラクターの参加も認めるものの、イベント協賛企業のキャラクターとして明確に区別していた。 みうらは、ひこにゃんがブームになった2006年を境とした「ひこにゃんビフォーアフター」で、「ゆるキャラ」という言葉の使われ方が変化したと指摘する。ひこにゃん以前は自分たちのキャラクターを「ゆるキャラ」と呼ばれることにマイナスイメージを持っていた自治体側が、ひこにゃん以降は自分たちから「ゆるキャラ」を名乗るようになり、広告会社等のプロが自治体からの依頼を受けデザインや運用を行う「素人ならではのゆるさ」というみうらの定義から外れたご当地キャラクターも数多く登場するようになった。しかし、ひこにゃん以降でも『ゆるキャラグランプリ2012』で最下位グループを形成したポピアン、浜寺ローズちゃん、フルルのような「ゆるさ」を持つキャラクターは依然として存在しており、「ゆるキャラ」という呼称の定義が広がってご当地キャラクター全般を指すようになってきている。 業界でも大手のイベントの一つだった『ゆるキャラまつりin彦根』は、2013年より「ゆるキャラ」という言葉を使用せず、「ゆるくない世界で地道に地元を一生懸命PRしている」キャラクターの祭典として『ご当地キャラ博in彦根』へと改名した。2014年には同様の大手イベントだった『ゆるキャラサミットin羽生』も、「企業キャラクターやご当地ヒーローなどに間口を広げるため」という理由で『世界キャラクターさみっとin羽生』に改称している。
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