まつやまたかし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 01:30 UTC 版)
まつやま たかし(本名:松山孝司、1957年〈昭和32年〉11月17日[1] - )は、日本のイラストレーター、グラフィックデザイナー。岐阜県在住。
来歴
関市立関商工高等学校、日本デザイナー学院名古屋校イラストレーション専科を卒業。1978年、広告代理店に勤務。鳥山明から直々にスカウトを受け、1981年にバード・スタジオへ転職。鳥山の2代目アシスタントとして、『Dr.スランプ』後半から『ドラゴンボール』までの作品に関わる[2][3][4]。『Dr.スランプ』ではペンギン村の建物や風景、『ドラゴンボール』では亀仙人の家、ナメック星などの背景画を担当[5]。また、『Dr.スランプ』作中に本人として登場している。
イラストレーターとして独立。雑誌『所ジョージの世田谷ベース』、『Daytona』の「シネマプラス+」などの連載を持っている。2013年にまつやまたかし展を開き、2014年にトヨタ博物館25周年企画のためにオリジナルイラスト「物語る博物館へ」を描いた。現在「MOTOR PANIC2」シリーズを発表中。
人物
趣味はプラモデル制作、映画鑑賞、インテリア、クルマ、カメラ、ビリヤード、キャンプ、料理、バレーボール、廃材アート[5]。カスタムフィギュアの制作を得意としており、タミヤ・フィギュアコンテストでは1979年から1989年まで連続入選した。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』40巻「改造人形コンテストの巻」に登場した松山兄弟のモデルでもある[6]。
アメリカンスタイルの住宅(アメリカンハウス)に憧れ、建材をアメリカから輸入し、自らツーバイフォー工法で施工した(基礎工事、壁は本職に依頼)。母屋の他、敷地内に仕事部屋、ツリーハウスも自らの手で建てた。それらの工程を記録した著書を上梓。また、2008年公開の日本映画『あの空をおぼえてる』の主要舞台として使用された[7]。その腕を活かし、店舗のデザインも手掛け始める。
尊敬するアーティストは鳥山明、江口寿史、小森誠、及川正通、レオ・シューウェル[5]。
鳥山とはクルマ、バイク、映画、模型制作など共通の趣味を持ち、プライベートでも付き合いがあった[8][6]。鳥山から漫画家のアシスタントとしてスカウトされた翌日に勤務していたデザイン事務所に辞表を提出、すぐに鳥山の自宅近くに引っ越したという[9]。『Dr.スランプ』の単行本では、天下の田舎者と自負する鳥山でも「はっきりいって負けた」と認めるほどの「野生の王国」と形容されるような田舎に住んでいたため、これがアシスタントにした決め手だったと書かれている[10][11]。
『ドラゴンボール』で鳥山のアシスタントを務めたのはまつやま1人であり、いつも主人公・孫悟空の髪の毛のベタ塗りに時間を取られており、時間節約のために鳥山がベタ塗りをしなくて済む超サイヤ人に変身させたことがある[12]。鳥山は「超サイヤ人を登場させたことでアシスタント君との約束をやっと果たすことができた」と語っている[13]。
鳥山明の初代担当編集者である鳥嶋和彦の新刊出版記念トークイベントが2025年7月12日に名古屋で行われることになり、鳥山の初代アシスタントを務めた「ひすゎし」こと田中久志と共にサプライズゲストとして登壇、鳥山とのエピソードなどを語る予定である[14]。
著作
- 松山孝司名義
- MOTOR PANIC』(1992年、架空社)
- まつやまたかし名義
- 自分で建てたあこがれのアメリカンハウス(1999年、山海堂)
- 『トムとジェリーをさがせ!』シリーズ(河出書房新社)
- トムとジェリーをさがせ!びっくりタウンは大さわぎ(2015年)
- トムとジェリーをさがせ!みなみのしまのだいぼうけん(2021年)
- トムとジェリーをさがせ!めいさくシーンでおおはしゃぎ(2022年)
- 親子で楽しむ空想特撮 探し絵本 / ウルトラセブンのおもちゃ箱(2017年、三交社)
脚注
- ^ まつやまたかしPROFILE - Art Front
- ^ 2009年に再び鳥山のアシスタントとして『おいしい島のウーさま』の作画に関わっている。
- ^ 清須市立図書館だよりでは、まつやまたかしが鳥山明のアシスタント時代には清洲町在住だったこともあり、“ゆかりの人”として取材を受けている。[1]
- ^ 清須市図書館でまつやまの作品展覧会の実施時には、鳥山明が図書館だよりのインタビューに登場している[2]
- ^ a b c “WORK SHOP お仕事の依頼はこちら”. ARTFRONT WORLD. 2023年10月14日閲覧。
- ^ a b “鳥山明さんの元アシスタント・まつやまたかしさん悼む 没頭したプラモ制作が「鳥山メカ」の原点”. Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社 (2024年3月10日). 2025年6月27日閲覧。
- ^ “建物探訪、第二弾! まつやまたかし邸に潜入して来ました!”. 家づくりコラム. 三昭堂 (2013年6月6日). 2025年6月27日閲覧。
- ^ “R.I.P 鳥山明さん”. ARTFRONT WORLD (2024年3月9日). 2025年4月29日閲覧。
- ^ 鳥山明さんから突然スカウト「ドラゴンボール」アシスタントは翌日仕事を辞め、引っ越した 2024年3月9日 05時05分 (3月10日 10時24分更新)(中日新聞)
- ^ 鳥山明『Dr.スランプ 第11巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1983年9月15日、ISBN 4-08-851191-3、172頁。
- ^ 鳥山明『Dr.スランプ 第14巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1984年6月15日、ISBN 4-08-851194-8、39頁。
- ^ ジャンプ・コミック出版編集部編「マンガ「DRAGON BALL」の真実〜トリヤマはこう考えていたよスペシャル〜」『DRAGON BALL 超エキサイティングガイド ストーリー編』集英社、2009年3月9日、ISBN 978-4-08-874803-0、88頁。
- ^ ジャンプ・コミック出版編集部編「マンガ「DRAGON BALL」の真実〜トリヤマはこう考えていたよスペシャル〜」『DRAGON BALL 超エキサイティングガイド ストーリー編』集英社、2009年3月9日、 ISBN 978-4-08-874803-0、91頁。
- ^ ゆう坊&マシリトのKosoKoso放送局 [@KosoKoso_hoso] (25 June 2025). “🟠☁️名古屋編サプライズゲスト☁️🟠鳥山先生のたった2人の歴代アシスタント🤵♂️🤵♂️🎙️⚡️まつやまたかしさん🎙️⚡️ひすゎしさん”. X(旧Twitter)より2025年6月27日閲覧.
関連項目
外部リンク
- Art Front - 公式サイト
- まつやまたかし (@mats4004544) - X(旧Twitter)
まつやまたかし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 14:05 UTC 版)
『Dr.スランプ』後半から『ドラゴンボール』後半まで担当している。『Dr.スランプ』のペンギン村の建物や風景、『ドラゴンボール』のカメハウス、ナメック星などの背景画を担当。『ドラゴンボール』終盤でアシスタントを辞めることになり、「あと少しで連載が終わるから」ということで以降は鳥山1人で執筆していた。2009年に再びアシスタントとして『おいしい島のウーさま』の作画に関わっている。
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