テンギス油田
【英】: tengiz oilfield
カザフスタン西部、カスピ海沿岸(陸上)に位置する同国最大の油田。 ソ連時代の1979年に発見されたが、随伴ガスが高濃度の硫化水素(猛毒)を含むこともあり、長年にわたり開発されずにいた。 1991年に米国のシェブロン社が開発権を取得し、カザフスタン独立後の1993年、カザフ側と操業会社TengizChevrOil社(TCO)を設立して、これが開発・操業に当たっている。1991年に生産開始。 地質区としてはプレカスピ盆地に属し、集油形態は層位封塞(礁)、集油面積は約225平方キロ。油層は石炭紀(一部はデボン紀)の礁性石灰岩で、深さは4,000~4,500メートル。原始埋蔵量は油が250億バレル、ガスが46兆立方フィートと見積もられている。また、油の究極可採埋蔵量として60~90億バレルおよび95億バレルという数値が報じられたことがある。 生産量は黒海沿岸までのCPCパイプライン(通油容量は当初54万バレル/日)の開通(2001年)によって急増し、2005年には44万バレル/日前後に達している。CPCパイプラインの容量を135万バレル/日に拡張することにより、2010年には同石油の生産量は66万バレル/日となる見込みである。 <主文献 “Giant Fields 1978-1988” (1992)、「石油大国ロシアの復活」(2005)> (齊藤 隆、2007年3月) |

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