つる座タウ1星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 21:29 UTC 版)
つる座τ1星 τ1 Gruis |
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仮符号・別名 | HD 216435 | |
星座 | つる座 | |
見かけの等級 (mv) | 6.03[1] | |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 22h 53m 37.9322277750s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −48° 35′ 53.824643522″[2] | |
視線速度 (Rv) | -1.03 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 218.016 ± 0.067 ミリ秒/年[2] 赤緯: -80.961 ± 0.103 ミリ秒/年[2] |
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年周視差 (π) | 30.2896 ± 0.0771ミリ秒[2] (誤差0.3%) |
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距離 | 107.7 ± 0.3 光年[注 1] (33.01 ± 0.08 パーセク[注 1]) |
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絶対等級 (MV) | 3.4[注 2] | |
つる座τ1星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 1.723 ± 0.043 R☉[3] | |
質量 | 1.31 +0.06 −0.07 M☉[3] |
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表面重力 | 14 G[3][注 3] | |
自転速度 | 5.8 km/s[3] | |
スペクトル分類 | G0 V[2] or G3 IV[1] | |
光度 | 3.47 +0.41 −0.37 L☉[3] |
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表面温度 | 5,999K[3] | |
色指数 (B-V) | 0.621[1] | |
色指数 (V-I) | 0.69[1] | |
金属量[Fe/H] | 0.24[3] | |
年齢 | 3.6 ± 0.3 ×109 年[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
CD-49 13988, GJ 9802, HIP 113044, HR 8700, LTT 9249, SAO 231343[2] | ||
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つる座τ1星(つるざタウ1せい、τ1 Gruis、τ1 Gru)あるいはHD 216435は、つる座の方角に太陽からおよそ108光年の距離にある、黄色主系列星である[2]。見かけの等級は6.0で、肉眼で辛うじてみえる明るさである[1]。2002年に、1つの太陽系外惑星が、つる座τ1星の周りに存在することがわかった[4]。
特徴
太陽 | つる座τ1星 |
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つる座τ1星は、スペクトル型がG0 VのG型主系列星とされるが、絶対等級を求めると主系列よりも明るく、G3 IV型の準巨星とも考えられる[2][1][4]。つる座τ1星の質量は太陽のおよそ1.3倍、半径は太陽のおよそ1.7倍、光度は太陽のおよそ3.5倍と推定される[3]。金属量は、初期に系外惑星が発見された大部分の星系と同様に過剰で、太陽と比べて6割程度多い[3]。1階電離カルシウムのH線を観測したところ、彩層活動は低調であることがわかっている[4]。
惑星系
2002年9月17日、アングロ・オーストラリアン惑星探査のグループが、つる座τ1星系における系外惑星の発見を発表した[4]。視線速度法によって、木星の1.23倍以上の質量を持つ天体が、つる座τ1星の周りを公転していることが明らかとなった。この惑星HD 216435 bは、軌道全体がつる座τ1星系のハビタブルゾーン内に位置しているとみられる[5]。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
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b | > 1.26 ± 0.13 MJ | 2.56 ± 0.17 | 1,311 ± 49 | 0.070 ± 0.078 | — | — |
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
22h 53m 37.9322277750s, −48° 35′ 53.824643522″
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