たん(接尾語)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > たん(接尾語)の意味・解説 

たん (接尾語)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/02 13:24 UTC 版)

接尾語としてのたんとは、一般には「○○ちゃん」の幼児語ないしは、それに準じた言葉とされる[1]

幼児語としての「たん」

幼児語としては、「ちゃん」の意味に相当するが、「ちゃん ("/tɕaɴ/") 」と発せられるはずが、"/ɕ/"が欠落して発せられる、あるいは、弱くて聞き取れない場合に使用される場合が多い。

また、大人が幼児に対して「ぼくたん」などと問いかける場合にも使われる。[要出典]

一般には小学校入学後までには「さん」・「ちゃん」などや自称で使用する場合には単に「ぼく」・「わたし」などに修正される場合が多い。[要出典]

中勘助の随筆「小百合さんの思ひ出」には『幼名は耳が大きかったので「ミミ」それが「ミーちゃん」「ミータンちゃん」となり』という節が出てくる[2]

なお、子供向けのキャラクター(「ノンタン」「にゃんたん」「ぴょこたん」「うーたん」「ペッタン」など)やマスコットキャラクター(「はばタン」「キビタン」「かねたん」「カボたん」など)として親近感をわかせるために使用する場合もある。

1970年代、TVで活躍していた水森亜土は成人ではあったが、独自の舌っ足らずな発音で自らを「亜土タン」と呼称しており、おそらくメディア上でこの発音を多用した最初の人物であると思われる。[要出典]

少女漫画における「たん」の受容

1967年、漫画家の赤塚不二夫りぼんで「ミータンとおはよう」を連載した。このミータンは人間の赤ん坊であった。

1970年代、別冊少女フレンドは古茂田ヒロコの「ロコたんのおしゃべり通信」「ロコたんのメイクアップファッション」を連載していた。また同誌では亜土タンこと水森亜土の「あなたと亜土たんのおてまみ広場」も連載するようになった[3]。当時は少女の間で水森亜土のイラスト、文字(丸文字)および言葉が人気となっていた[3]。なお水森亜土もミータンという名前のキャラクターを作成していたが、このキャラクターは猫となっている(『亜土タンの絵かきうた』[4]などに登場)。

1978年、坂東江利子はりぼんで「ちょいまちミータン」を連載した。また1970年代にデビューしたりぼん漫画家の陸奥A子はファンより「A子たん」と呼ばれていた[5]

1980年代、さくらももこちびまる子ちゃん」の原作漫画に収録されている『さくらももこのほのぼの劇場』にはりぼんを読みながら「A子たん」のバッグを欲しがったり、「ちょいまちミータン」の似顔絵を描こうかなと思うシーンが登場する[6]

インターネットコミュニティ上の「たん」

インターネットコミュニティ上では、文字の制限や対象者を文中で使用する場合に敢えて敬称として使用する場合がある。この場合、対象者により意味合いが異なる。なお、ひらがなカタカナの別や全角・半角の差違は特に定かではないとされる。また、対象者によっては「タソ(たそ)」とも書かれる場合もある。[要出典]

2005年佐藤ゆかり議員が「ゆかりタン」と一般のマスメディアでも報道されたのをきっかけに、一般にもこういった表記が浸透しつつある[1]。「○○タン」は2005年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補となる60語にノミネートされた[1]

また、「たん」が主に女子やロリキャラに使われるのに対し、男子やショタキャラには「きゅん」が使われることもある。これは「くん("kun")」が正しく発音されないのが変化したものと思われる(神木きゅん、秋巳きゅん)。[要出典]

キャラクター設定で性別が曖昧だったり、男子ながら女子的な可愛さを持っている場合などに、「たん」と「きゅん」を合成した「たゅん」という表記も稀に用いられる。[要出典]

変種として、「たゃん」「てゃん」、およびそれらから末尾の「ん」を取り除いた「たゃ」や「てゃ」なども使用が確認されている[8]

その他の「たん」

方言学者の橘正一の推察によれば「すかたん」の「たん」は「頭」から来たものとされる (「スコ頭」→「スコタマ」→「スカタン」)[9]

伊賀北東部などの方言の「たん」は「谷」の意味であり[10]、例えば「すっぽこたん」はすっぽこ谷、つまり僻地を意味する[10]

ギャル語では「やばたん」(やばい)、「つらたん」(つらい)、「うざたん」(うざい)、「きゃわたん」(きゃわいい)などの形で使われる形容詞の語尾「たん」が流行した[11]。その後、「やばたん」は「やばたにえん」に派生した[12]

脚注

  1. ^ a b c 現代用語の基礎知識 選 2005 ユーキャン新語・流行語大賞 候補語インターネットアーカイブのキャッシュ)
  2. ^ 小宮豊隆, 和辻哲郎 編『中勘助全集 第12巻』 p.278 角川書店 1963年 [1] (初出:『』 平凡社 1960年)
  3. ^ a b 柳田邦男 編『日本人の変容』 pp.59-61 文藝春秋 1993年 ISBN 416-5113107
  4. ^ 『亜土タンの絵かきうた』 ドレミ楽譜出版社 1978年 JP番号 79011855
  5. ^ あなたの“おしゃれの教科書”だった少女マンガは? Excite Japan 2012年2月28日
  6. ^ 『ちびまる子ちゃん 第2巻』 p.110 さくらももこ 1988年 ISBN 408-8534344
  7. ^ 川口盛之助 『オタクで女の子な国のモノづくり』 講談社、2007年、48頁。ISBN 978-4062820639
  8. ^ 「たゃ」、「てゃ」、「てゃん」とは?意味や使い方を解説!|ネットペディア|ネット用語やオタク用語の意味解説サイト”. ネットペディア|ネット用語やオタク用語の意味解説サイト (2019年11月19日). 2023年12月22日閲覧。
  9. ^ 橘正一『方言讀本』 p.45 厚生閣 1937年
  10. ^ a b 北浦譲『伊賀北東部方言集』 三重県郷土資料刊行会 1972年
  11. ^ 2012年ギャル流行語、知りたいパティーン? 通じない?それはやばたん、とりあ読んでネ! J-CAST 2012年11月30日
  12. ^ ギャル語の変遷、一周回って再ブレイクするケースも…本当に“リアルなギャル語”とは オリコン 2017年7月23日

関連項目


「たん (接尾語)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「たん(接尾語)」の関連用語

たん(接尾語)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



たん(接尾語)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのたん (接尾語) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS