その他の積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 16:01 UTC 版)
リーマン=スティルチェス積分 リーマン=スティルチェス積分は有界変動の関数 φ を使ったリーマン積分の拡張。 ∫ a b f ( x ) d φ ( x ) = lim ∑ f ( ξ ) δ φ {\displaystyle \int _{a}^{b}f(x)d\varphi (x)=\lim \sum f(\xi )\delta \varphi } φ(x) = x のときは通常のリーマン積分であり、φ が可微分で φ' が連続なら、密度を持つリーマン積分 ∫ a b f ( x ) d φ ( x ) = ∫ a b f ( x ) φ ′ ( x ) d x {\displaystyle \int _{a}^{b}f(x)d\varphi (x)=\int _{a}^{b}f(x)\varphi '(x)dx} の形になる。 ルベーグ=スティルチェス積分 ルベーグ=スティルチェス積分はルベーグ積分やリーマン=スティルチェス積分の拡張。加法的集合関数の変動が定める測度に関するルベーグ式の積分 ∫ X f ( x ) d Φ ( x ) {\displaystyle \int _{X}f(x)\,d\Phi (x)} であり、ヨハン・ラドンが詳しく調べた。 ダニエル積分 ダニエル積分は積分を線型汎関数として定義する。これは測度の概念を必ずしも必要としないにもかかわらず、ルベーグ積分やルベーグ=スティルチェス積分を含む広範な積分概念を与える。 リーマン型積分 通常のリーマン積分は、積分区間の分割の幅を一様に 0 に近づけたときの対応するリーマン和の極限として定義されるが、リーマン和の取り方や分割の幅の縮めかたを変えることによってさまざまな積分を定義でき、このように定義される積分をリーマン型積分という。たとえば、マクシェイン積分、ヘンストック・クルツヴァイル積分などのゲージ積分がリーマン型積分である。 ヤング積分 ヤング積分はリーマン=スティルチェス積分の一般化で、有界変動関数を用いる代わりに非有界な変動の関数を用いたもの。 確率積分 伊藤積分やストラトノヴィッチ積分などのブラウン運動を伴う確率過程に対する積分 不変積分 数論や表現論の周辺分野でよく用いられる、局所コンパクト群上で定義される不変測度(ハール測度)に関するルベーグ式の積分。ルベーグ積分は、実数全体が加法に関して成す局所コンパクトアーベル群 R 上の不変測度としてルベーグ測度をとった不変積分である(この場合の不変は平行移動不変性を指して言う)。
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