その他の方法による株式の希薄化の防止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/30 16:06 UTC 版)
「株式の希薄化」の記事における「その他の方法による株式の希薄化の防止」の解説
経営者サイドでは、この株主の不満を小さくして株式の増加を実現するために希薄化の株式市場に与える影響を小さくする工夫を様々に試みることになる。たとえば、議決権を制限した株式(優先株)を発行することで、普通株の議決権の希薄化を防ぐといったことが行われる。 希薄化と正反対のプロセスもある。株式の消却や併合による発行株数の削減である。代表的な例が自社株の取得・消却である。消却により発行株数が減れば、1株当たり予想利益や株主資本予想利益率の改善が期待できる[要出典]。消却を目的とする自社株の取得は日本では1994年に解禁された。この解禁の背景に、バブル経済崩壊後の株式の需給改善を通じた株価対策の側面があったことは否めない。 2001年には、取得した株式を目的を定めず手元に残す「金庫株」も解禁された。金庫株はストックオプションやM&A(企業買収)におけるポイズンピルなどに活用できる反面、当面こうした活用の予定がない金庫株を増やすことには、その存在自体が株式の売り出しリスク=潜在的株式となるとの批判がある。これは転換社債など普通株への転換の可能性がある証券の存在が、潜在的株式として株式の需給悪化要因になるのと同じ理屈である。 自社株の取得・消却は、二重の意味で企業買収から企業を防衛する対策となる。これはまず市場に存在する浮動株を余剰資金を使って取得・消却することで、(1)企業の余剰キャッシュを減少させて買収の魅力を減らし、(2)市中で購入の対象となる株式を減らすことで企業買収のリスクそのものを減らすことになる。
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