笑止千万
笑止千万とは、笑止千万の意味
笑止千万(しょうしせんばん)は、主に「とんでもなくばかばかしい」さま、「滑稽きわまりない」さま、を指す意味で用いられる表現。「面白おかしい」とか「愉快である」といった意味合いではなく、むしろ嘲笑・蔑視・怒り・呆れ・荒唐無稽といった意味合いを込めて用いられることが多い。「笑止」は、ばかげた事・おかしい事を指す語である。「~千万」は、程度がはなはだしいという意味で接尾辞的に用いられる表現である。つまり「笑止千万」は、「笑止」を強めて述べた言い方であるといえる。
笑止千万には「大変気の毒である」という語義もある。ただし昨今ではこの意味で用いられることはほぼないといってよい。
笑止千万の語の由来・語源
笑止は「勝事」が転じた語である、と一般的に解釈されている。勝事は「滅多に見られないような大事件」を指す語である。この「勝事」は「平家物語」などでも用いられている古い語彙であり、かつ、古語においては「しょうし」と清音で読まれた。勝事は、よい出来事についても悪い出来事についても用いられる言葉である。あまりにも酷い状況を目の当たりにして「笑うしかない」と表現することがあるが、これと同じ容量で、「あまりに異様で笑うしかない」さまを「勝事=笑止」と当て字したのではないか、という見方ができる。
笑止千万の語の使い方(用法)、例文
笑止千万は、基本的に、話者の怒り・呆れ・苦々しさ、といったネガティブな心情を吐露する表現として用いられる。笑止千万の類語と使い分け方
笑止千万の類語・類義語としては「片腹痛い」が挙げられる。この「片腹痛い」も、相手を嘲る意味で「滑稽だ」と述べる表現である。もともとは「傍ら痛し(かたはらいたし)」という言葉だったが、おそらく「笑い過ぎて横っ腹が痛い」という連想によって、「片腹が痛い」という字で定着した。笑止千万の類義語としては「噴飯物」も挙げられる。噴飯物は「食事中に飯を吹き出すほど滑稽な」事柄を指す語であり、やはり笑止千万と同様に(愉快さではなく)もっぱら「荒唐無稽でばかばかしい」さまを指す語として用いられる 。飯を吹き出す躍動感に「突然の知らせの衝撃」や「突拍子のなさ」のニュアンスが感じられる。
しょうし‐せんばん〔セウシ‐〕【笑止千万】
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