シャドウ
シャドー【shadow】
しゃ‐どう〔‐ダウ〕【車道】
浜田珍夕/珍碩(洒堂)
(はまだちんせき/しゃどう)
近江膳所の医師で、菅沼曲水と並んで近江蕉門の重鎮。元禄2年入門。洒楽堂(しゃらくどう)住人で、芭蕉が招かれて、ここを讃美した『洒楽堂の記』がある。珍夕は初期の号で後に洒堂と改号した。努力の人で、元禄5年秋には、師を訪ねて江戸に上って俳道修業の悩みを訴えたりしている。これに対して、芭蕉は一句詠んだ。洒堂は後に大坂に出てプロの俳諧師となる。ここで,之道との間で勢力争いの確執を起こし、芭蕉は元禄7年その仲裁に大坂に赴き不帰の人となった。その元禄7年秋に、洒堂は死の直前の芭蕉と一緒に一夜を過した。そのとき、既に疲労していた芭蕉は、洒堂の鼾に随分閉口したらしい。洒堂は、長年眼疾を患っていた。『ひさご』の編集人。
洒堂の代表作
草取のはれに染めなす柿苧哉
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杉原の上に筆ちる星の陰
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いろいろの名もむつかしや春の草(『ひさご』)
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神迎水口だちか馬の鈴(『猿蓑』)
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人に似て猿も手を組秋のかぜ(『猿蓑』)
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鳩ふくや澁柿原の蕎麥畠(『猿蓑』)
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高土手に鶸の鳴日や雲ちぎれ(『猿蓑』)
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日の影やごもくの上の親すゞめ(『猿蓑』)
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細脛のやすめ處や夏のやま(『猿蓑』)
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いそがしき春を雀のかきばかま(『炭俵』)
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名月や誰吹起す森の鳩(『炭俵』)
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碪ひとりよき染物の匂ひかな(『炭俵』)
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神送荒たる宵の土大根(『炭俵』)
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花散て竹見る軒のやすさかな(『続猿蓑』)
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春雨や簔につゝまん雉子の聲(『続猿蓑』)
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山吹も散るか祭のふかなます(『続猿蓑』)
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腰かけて中に凉しき階子哉(『続猿蓑』)
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名月の海より冷る田簔かな(『続猿蓑』)
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秋空や日和くるはす柿のいろ(『続猿蓑』)
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唐黍にかげろふ軒や玉まつり(『去来抄』)
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