古酒(くーす)
長期間貯蔵し、熟成した泡盛のこと。芳酵な香りとまろやかさを持つ。沖縄では古くからさきを熟成する習慣を持っていた。いつのころから長期間貯蔵し、香味の醇化を図るようになったか明らかでないが、『李朝実録』1462年の条、朝鮮漂流民肖得成の見聞記による御物城(おものぐすく)の酒庫の記述に「1・2・3年の酒庫は分ちてその額を記す」とあり、熟成の様子をうかがわせる。また第二次大戦前、200年・300年ものともいわれた最上の古酒は「康煕(こうき)年間」と称されたことから清朝の康煕帝のころから泡盛の貯蔵が習慣化したとみる推察もある。王府時代の古酒に関する記述には『琉球国由来記』(1713年)の〈官爵位階職之事〉の銭御蔵条に「掌銭・焼酎・同古酒・・・之事」と古酒が位置づけられており、その造成、管理が推察されて興味深い。古酒の標準の香気として『松山王子尚順遺稿』の〈古酒の話〉では、白梅香の香(かざ)り、頬付(とうふなびー)の香(かざ)り、雄山羊(うーふいじゃ)の香(かざ)りをあげている。
古酒
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